小川未明文学賞 大賞は黒田季菜子さん 優秀賞 岩田早苗さんも高評価

第33回小川未明文学賞の受賞作品が決定した。26日に小川未明文学賞委員会が上越市役所を訪れ、中川幹太市長に報告した。大賞は黒田季菜子さん(46、大阪府)の「ほーちゃんと、旅に出る」、優秀賞は岩田早苗さん(60、東京都)の「まねき猫よろず相談所」が受賞した。

小川未明文学賞大賞を受賞した黒田さん 優秀賞の岩田さん

大賞受賞作は1歳上で発達障害の兄を持つ小学5年の女子が、兄を旅行に連れて行く計画に巻き込まれる中で、それまで分からなかった兄のことを理解していく物語。同委員会の宮川健郎会長は「今日性があり、面白い。語りの切れ味もいい」と評価した。優秀賞受賞作も評価が高く、大賞と僅差だったという。

同賞は同市出身の童話作家、小川未明の文学精神を受け継ぐ作品の輩出を目的に、同市と同委員会の主催で行われている。今回は639編の応募があり、12日の最終選考会で受賞作品が決まった。

今回から電子メールでの応募も可能となり、応募数は例年の530編ほどから約100編増加した。全応募のうち半数近い306編が電子メールでの応募となった。

また前回に大賞を受賞した古都こいとさんの『きさらぎさんちは今日もお天気』が同委員会から上越市教育委員会に寄贈され、市内の小学校、図書館などに配置される。

前回の大賞受賞作の単行本を寄贈した小川未明文学賞委員会の宮川健郎会長(左から2人目)と菊永謙副会長(左)

記事参照元:上越タイムス電子版