上越市と県本州グループ協同組合 避難所に段ボールベッド供給 災害時の物資供給協定締結

12日に上越市役所で行われた協定締結式。鈴木理事長(中央左)、中川市長(同右)に加え、段ボールベッドを設計した大塚専務理事(左端)も出席し、性能や開発経緯を説明した

県内で段ボール製品の製造、販売を手がける企業でつくる県本州グループ協同組合(理事長・鈴木壽男スズキ紙器社長)が12日、上越市と災害時における物資の供給等に関する協定を締結した。大同紙器工業(上越市大日、大塚忍社長)が開発した段ボールベッドなどを避難所に供給する。今後も県内の各自治体と協定を結ぶ予定だ。

1975年、段ボール製造業の競争が激化する中、本州製紙(現・王子ホールディングス)から資材を仕入れていた県内7社(現在5社)が組合を結成。原料調達や技術習得などで協力してきた。

3年前、全国で多発する自然災害を受け、組合専務理事の大塚社長が地元上越にできることはないかと、段ボールベッドの設計を始めた。翌年、組合の事業として3社が製造、2社が運搬などのサポートを行い、県内各地へ届けられる体制を構築。上越市に協定締結を申し入れた。

段ボールベッドは長さ1899ミリ、幅900ミリ、高さ328ミリ。座った高齢者が立ち上がりやすい高さで、子どもと母親が一緒に寝られる重量耐久度で設計。2カ月使用しても傷まず、5分程度で組み立て可能。協定ではパーテーション、カーペットとのセットを、災害発生から1週間で155台、1カ月で700台供給するとしている。

県内外からの避難者も対象とした今回の協定。上越市の中川幹太市長は「万が一に備えて、こうした物資は避難者を守るのにとても重要。今後とも長く、よろしくお願いしたい」と感謝。鈴木理事長は「災害はいつどこで起きるか分からない。少しでも役立てれば幸い」、大塚専務理事は「地元はもとより、今後は県内全域で支援ができるようにしていきたい」とそれぞれ話した。

記事参照元:上越タイムス電子版

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