北陸唯一のユースクリニック 上越市拠点に積極展開 活動資金CFで調達目指す
若い世代が性や体の悩みを看護師や保健師らに相談できる「ユースクリニック」が、上越市に誕生し、今年から活動を本格化させる。31日まで活動資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。
「ユースクリニックにいがた」で活動するのは、保健師で看護師の霜鳥めぐみさんと稲葉里美さんら3人。昨年1月任意団体を立ち上げ、9月から月1回、同市内のカフェなどを会場に思春期前後の男女と保護者、思春期の児童生徒に関わる人らを対象にした講座を開いている。
厚生労働省によると、2022年度における20歳未満の人工妊娠中絶件数は9569件。多くの年齢層で前年度と比較して減少しているが、15歳未満の件数が前年度比で17・6%増と大きく増えている。上越地域も例外ではないという。霜鳥さんは「性行為や避妊に関する誤った知識を得て、それが正しいと信じていたり、身近に気軽に相談できる大人がいないと感じていたりする」、稲葉さんは「子どもも大人も、性の話への抵抗感が根強い」と話す。2人は「望まない妊娠」の防止だけでなく、正しい知識は性加害の抑止にもつながると説く。
「ユースクリニック」は全国に60程度あるとされるが、本県を含む北陸地方では初めてという。ユースクリニックにいがたは2月以降月1回程度の講座を開きながら、研修会講師など活動の幅を広げる考え。法人化も視野に入れる。
活動資金は講座を開く際の会場費や人件費、今後専門人材を育成するための費用などに充てる方針。霜鳥さんは「(性に関する悩みを)知らない、気づかない、相談できない、という壁を取り払うため活動していきたい」と話している。
記事参照元:タイムスLite