1食からお届けします!アイエムタクシー(新潟上越市)が弁当配送の新サービス AI活用でスイスイ宅配、高齢者に好評

地域の高齢者の生活を支えるため、アイエムタクシー(新潟県上越市大和6)が人工知能(AI)を活用した弁当配送サービスを展開している。地元食材を使った健康的な夕食を1食分から配達。1人暮らしの高齢者などに好評だ。

お昼過ぎ、弁当が入った保冷ボックスを積み込みタクシー会社の駐車場を軽自動車が出発した。配達員はタブレット端末に表示された道案内に従って配達先を回る。献立は日替わりのため、好きな献立の日だけ注文する人も多く、ルートは毎日変わる。タクシー事業を手がける山口第一交通グループ(山口県)の子会社からAIによるルート作成システムの提供を受け、最適な経路設定ができるようになった。

弁当は配達希望日の前日午前11時までに注文すると夕方までに届く。8月にサービスを始め、現在は上越市高田地区を中心に1日100食前後を届ける。1食から配達可能で利用者は70、80代が多い。12月前半のメニューは牛肉コロッケ、おでん、サバの竜田揚げなど。高齢の親を心配し、首都圏に住む子どもが依頼するケースもある。

アイエムタクシーが弁当配送サービスに乗り出したのは、新型コロナウイルス禍で利用者が大幅に減り、感染禍前の水準に回復しないことや人口減少が背景にある。牧野章一社長(74)は「10年先を見越して新たな手を打つことが必要。地域の変化がよく分かる仕事をしているからこそ、タクシーにこだわることなく地域に根差し、移動が制約される人を支えたい」と狙いを語る。

弁当の製造元は企業向け弁当や学校給食を手がけるクックライフ(上越市頸城区)。タクシー会社と提携することで、製造や献立作りに力を注ぎながら弁当の宅配事業に挑戦できた。

アイエムタクシー配食事業部の責任者本間よし子さん(65)によると、弁当には当初、見た目のボリュームを求める声が多かった。製造元と連携し、食材の地産地消にもこだわりながら、手作り感のある健康的な夕食を届けようと改善を重ねている。

本間さんは「買い物に苦労する高齢者だけでなく、仕事や介護などで忙しく食事の支度を休みたい人にもぜひ利用してほしい」と呼びかけている。

1食620円。問い合わせはアイエムタクシー、025(530)7311。平日午前9時〜午後5時。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス

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