高齢化・人手不足のタクシー業界 21歳・県内最年少の女性ドライバーの奮闘【新潟・上越市】
上越市のタクシー会社でこの春、21歳の女性ドライバーがデビューしました。運転手の高齢化や担い手不足が叫ばれる中、奮闘しています。
上越市の頸城ハイヤー。午前8時、従業員が出勤してきます。
今年1月に入社した髙山莉緒さん、21歳。女性では県内最年少のタクシードライバーです。
■髙山莉緒さん
「昔からタクシードライバーに憧れていたわけではない。車の運転が好きで車関係の業種を調べて求人にタクシードライバーが出ていた。」
入社後は、タクシーの運転に必要な「普通2種免許」を取得するため、教習所に通う日々が続きました。
シミュレーターには悪戦苦闘しました。
■上越自動車学校高田教習所 金子裕 営業課長
「お客様を乗せて走るので『普通1種』のレベルでは知識や技術が足りない。お客様の安全を考えつつ運転をしなければならない。」
頸城ハイヤーはこの3年、新型コロナ禍の影響を受けて利用客が大幅に減少。大きな打撃を受けました。
そのため2種免許を持たない新卒採用には慎重でした。しかし、髙山さんの頑張りで、その思いは覆されたといいます。
■頸城ハイヤー 水島芳男 専務
「最初、面接をした時は『この子はハイヤーの乗務員としてどうかな』と思った。正直なところ。でも実際に本人と話をして3ヶ月間、教育の時も、今の20歳の子にしてはしっかりしている。自分でも見る目がなかった・・・」
約2カ月の教習を経て見事、本試験に合格。タクシードライバーとしての一歩を踏み出しました。
5月2日、午前8時30分。この日、最初の配車。買い物に出かける高齢の男性が乗車しました。
■利用客
「わたし車の運転しないからさ。」
■髙山さん
「買い物は?」
■利用客
「今日は二・七の市でしょう。朝市で買い物して配達してもらう。」
■髙山さん
「配達があるんですか。」
車内での会話が楽しみの一つです。髙山さんは少しずつ、地域の道を覚えています。
■利用客
「私はしょっちゅうタクシーに乗せてもらってるから、運転手の顔も名前もわかる。車内で若い人なりの話を聞かせてもらった。若い人の方が元気づけられるし良いですよ。」
平日の配車は通院で利用する人がほとんどだといいます。
■利用客
「安全運転でびっくりした。是非またお願いしたい。これから老後で病院へ通うようになるので。」
■髙山さん
「人と出会う機会が多い。タクシーじゃないと聞けない話がある。お互いに話が盛り上がると楽しい。」
タクシー業界は今、ドライバーの高齢化と担い手不足が課題です。頸城ハイヤーも男性の平均が64歳。
女性も52歳と高齢化が進んでいます。
普段、一人でいることが多いドライバーですが、営業所にいるときは上司や先輩と交流を深めています。
■同じ営業所の女性社員
「可愛くて娘みたい。」
■男性上司
「孫みたいだ。」
■頸城ハイヤー 水島芳男 専務
「現場へ配属されてから営業所の雰囲気も随分あかるくなった。非常に私も得るところがあった。」
■髙山さん
「タクシーを使う方は普段の生活で足が悪かったり目が見えないとか。そういう方々の普段の生活を快適に過ごせるようにしたい。」
タクシードライバーとして走り始めた髙山さん。地域の人の足としてハンドルを握ります。
記事参照元:UX新潟テレビ21