震災の初期対応「万全」発言を撤回 上越市の中川幹太市長
新潟県上越市の中川幹太市長は能登半島地震発生当初の「大きな課題はなく、万全だった」という自身の発言について、2024年2月19日の記者会見で撤回した。「津波被害、避難行動の状況が明らかになっていく中で、情報発信や避難のあり方について課題があると認識した。発言を改める」と述べた。
中川市長は能登半島地震の発生から3日後の1月4日の記者会見で、津波からの避難の呼びかけなどについて「万全だった」と述べていた。
中川市長は「発災直後は私は登庁できなかったが、登庁した副市長に連絡を取り、初動対応はできていたと思っていたので『万全』と発言した」と経緯を説明。実際に万全だったのかと記者に問われた八木智学副市長は「災害対応において『万全』という表現は難しいと思っている」と話した。
また、市は津波避難の方法を「原則徒歩」としていたが、実際には多くの人が車で移動し、幹線道路が渋滞するなどした。
中川市長は当初、市外・県外からの帰省客らで渋滞したとしたとの見解を示していたが、「市民の皆さんも多くいた。発言を改める」と撤回した。2月16日に市が開催した専門家会議での学識経験者の意見を踏まえ、市は高齢者などを想定した「車での避難」について検討を行うことにしている。
中川市長は「災害対策は常に反省と改善があってこそ、成り立つものだと思っている」などと述べた。
記事参照元:上越タウンジャーナル