「高田の殿さま」榊原家の歴史紐解く企画展 上越市立歴史博物館で11月4日まで

新潟県上越市本城町の市立歴史博物館で、企画展「徳川四天王榊原康政の系譜 譜代名門の史料と歴史」が開かれている。約130年にわたり高田藩を治めた榊原家の歴史を、初展示を含む77点の史料とともに紹介している。

榊原家にまつわる史料77点を展示する会場

榊原家の初代康政は徳川家康の側近で、江戸幕府成立に貢献し「徳川四天王」とたたえられた。館林や姫路、村上など各地の藩主を代々務め、江戸時代中期から明治維新までは6代にわたり高田藩を治め、「高田の殿さま」として親しまれた。

展示の多くは2004年から同市の公益財団法人旧高田藩和親会が管理している榊原家伝来の史料で、県の文化財指定を受けている。企画展は、“お国元”の同市に史料を迎えて20年の節目に合わせて開かれた。

初展示の「康勝宛加藤清正書状」など

4部構成で、最後の藩主となった14代までの歩みをまとめた。今回初お目見えとなったのは康政の死後、加藤清正が娘婿に当たる2代目康勝に宛てた書状。康勝を気遣い、榊原家の財政から親戚付き合いに至るまでの助言などが約3.6mにもわたりつづられている。

康政の甲冑。所蔵する榊神社では見られない背中側にも「無」の文字が

また、徳川のために無心で働く意思表明とされる「無」の字が腹背に刻まれた康政の甲冑、兵装から城の守備配置、家中の心得など軍制を細かに記した6代政邦の「武備覚書并絵図等」、三味線や絵画、歌舞伎などに通じて風流大名と称された8代政岑の絵「雉図」など、それぞれの人柄が伺える史料も見どころだ。

政邦の「武備覚書并絵図等」も初展示

花岡公貴館長は「史料があって歴史が分かる。地元に大名家の貴重な史料が残っていることを知り、関心を持ってもらえたら」と話した。

会期は11月4日までで、途中展示の入れ替えがある。前期は9月1日まで、後期は9月6日から。午前9時〜午後5時。月曜(祝日の場合はその翌日)、祝日の翌日休館。8月13日は開館する。

www.city.joetsu.niigata.jp

 

記事参照元:上越タウンジャーナル