〝高田の桜〟今年も満開 リリエンフェルト市シンボルに 40年前に植樹、300本育つ
上越市と姉妹都市提携を結ぶオーストリア・リリエンフェルト市にある〝高田の桜〟が今年も開花し、満開となった。1970(昭和45)年に初めて訪れて以来、同地に10回以上訪問している上越市の「レルヒの会」理事の羽尾勇さん(76、同市春日新田2)に、現地の友人からメールで写真が届いた。
羽尾さんは旧三和村に在住していた1970年1月にヨーロッパ青少年交流でリ市を訪れ、レルヒ少佐の二女、ホリヤーさん(2004年に死去)らと親交を持った。直江津海陸運送勤務時の1981(同56)年5月、上越市市制施行10周年を記念し、特使として市の渡辺三郎総務部長(後に市助役)と共に市の木、桜(ソメイヨシノ)の苗木10本をリ市に持って行き、姉妹都市を締結。以降、2004(平成16)年まで10回以上訪れ、計約300本の苗木を植樹しているという。
リ市はオーストリアの首都、ウイーンの西方80キロ、アルプスに近い高原に位置している。アルペンスキーの基礎を築いたマティアス・ツダルスキーが、レルヒ少佐にスキー術を教えた地。同少佐は上越市高田において日本初のスキー術を伝えており、その縁で姉妹都市提携につながった。昨年10月に提携から40周年を迎えた。同市には「JOETSUシュトラッセ」と呼ばれる通りがあり、沿道を中心に40年前に植えた桜が順調に育っているという。
写真は羽尾さんの40年来の友人というフランツ・フィルビザーさん(74)から、日本時間の5日朝に複数枚送られてきた。公園や消防署近く、町の中心部で花開く様子が分かる。「毎年、画像が送られてくるのを楽しみにしている。オーストリアで桜が植えられたのは初めてだった」と同市のシンボルになっているとし、「40年たち傷んでいるかもしれないので、コロナ禍が収まったら、専門の樹木医さんと管理の仕方を教えに行きたい」と、遠い地で咲く〝高田の桜〟の状態を気に掛けている。
記事参照元:タイムスLite