能登半島地震 能登町で被災 牛を受け入れ 受胎中の雌 ゆったりと過ごして 清里区のグリーンファーム清里
能登半島地震で被災した石川県の牛1頭が8日、清里区の農業会社「グリーンファーム清里」に到着した。牛は雌で受胎しており、8月に出産予定。保坂一八社長は「大変な思いをしただろう。まずはゆったりと過ごしてほしい」と話している。
牛は石川県能登町の畜産家が100頭近く飼育していたうちの1頭。牛舎が被災し、牛の譲渡を余儀なくされた畜産家から依頼を受け、同県穴水町でも事業を展開する荻谷畜産(頸城区)が仲介した。上越市や十日町市の畜産家がそれぞれ1~7頭を引き取ったという。
グリーンファーム清里で引き取った牛の名前は「こま」。震災で牛舎が被災したため、餌が届かず、雪を食べてしのいでいたという。保坂社長は「地震ですみ慣れた環境が一変し、さらに移動もあったので、かなりストレスがたまっているように見える。着いてから一晩明けたが、牛が大好きな配合飼料もあまり食べない。牛も人間と同じ生き物。さぞ大変な思いをしただろう」と話す。同社では「こま」のストレスが軽減されるよう飼育し、8月の出産が順調に行われるように努める。
能登半島は石川県のブランド牛「能登牛(のとうし)」の産地だが、牛舎の被災や再建不能を理由に事業継続を断念する畜産家も出始めている。仲介した荻谷畜産も穴水町の牛舎が被災。荻谷耕治社長は「同じ場所での建て替えは困難だろう」と話していた。
記事参照元:タイムスLite