【スクープ】不登校の子の「学びの多様化学校」上越市が設置へ 新潟県内初、2026年度にも開校

新潟県上越市が、不登校の児童生徒のための教育を行う「学びの多様化学校(不登校特例校)」を設置する方針を固めたことが11月28日、関係者への取材で分かった。早ければ2026年度にも開校する。対象は中学生とみられる。県内には現在多様化学校はなく、設置されれば新潟県初となる見通し。

文部科学省などの調査によると、県内の国公私立の小中学校で23年度に30日以上欠席した不登校の児童生徒は5617人と過去最多に上った。不登校の子どもが年々増加する中、多様化学校の設置で従来の学校生活になじめなかった子どもの学びを支え、同年代との交流の場づくりを後押しする狙いがある。

多様化学校は学習指導要領に縛られず、授業時数を削減するなど柔軟なカリキュラム編成や、少人数指導をできるのが特長。コミュニケーション能力を磨く学習といった教育が可能になる。

国が05年に制度化し、都道府県や政令市に設置を促しているが、文科省によると、全国で35校にとどまる。

上越市でも不登校の子どもが増える中、2024年度、上越教育大の有識者や保護者らでつくる委員会を立ち上げ、多様化学校の設置を含めた対応策の検討を進めてきた。

関係者によると、委員会での多様化学校設置の必要性を指摘する声などを受け、設置の方針を固めた。12月5日に開かれる上越市議会文教経済常任委員会で市教育委員会が具体的な説明をする見通し。カリキュラムなどは今後詰める。

白石聡教育部長は取材に「議会で説明したい」と話した。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス