上越市出身の小川未明の童話世界を市民らが表現 生誕140周年で音楽劇やフェス開催

「日本のアンデルセン」と呼ばれた新潟県上越市出身の児童文学作家、小川未明(1882〜1961)の生誕140周年に合わせ2022年11月26、27の両日、同市新光町1の上越文化会館で記念イベントが開かれた。市民らが音楽劇や朗読劇、作文、舞踊などで、未明の作品世界を表現した。

市民音楽劇「月の明るい夜に」上演

イベントは上越文化会館などが主催。27日に上演された生誕140周年記念の市民音楽劇「月の明るい夜に」は、ディズニー映画「アナと雪の女王」の主題歌などの訳詞や劇団四季の脚本を手がけた高橋知伽江さんが脚本を担当した。未明童話の中から「月」をテーマに選ばれた「月と山兎(うさぎ)」「月夜とめがね」「月とあざらし」「赤い蝋燭(ろうそく)と人魚」の四つの物語が、オムニバス形式で展開された。

「月とあざらし」の一場面

俳優陣は上越市を中心にオーディションで選ばれた小学生から74歳までの41人で、7月から4か月の稽古を経て舞台に立った。前市長の村山秀幸さん(74)演じる未明が、市立高志小4年の籠島碧緒さん演じる娘の鈴江に童話を語るスタイルで物語は進行。ステージ上で生演奏される音楽と出演者の伸びやかな演技や歌、ダンスがあいまって、会場は未明の作品世界に包まれた。

「赤い蝋燭と人魚」の一場面

知人が出演し家族で観劇した十日町市の自営業、高橋英利さん(50)は「本格的な舞台で1時間があっという間。いくつもの物語があり、それぞれの世界が楽しめた。出演者もとても素人とは思えない。娘はもう1回観たいと言っている」と感心していた。

小川未明フェスティバル

26日に開催された「小川未明フェスティバル」は、毎年異なる未明の作品をテーマに、朗読や踊りなどさまざまな手法で作品を表現するイベント。今年は「黒い人と赤いそり」(1922)をテーマに、市内の小学生106人が応募した読書感想文の表彰式や、国内外で活躍する舞踊団による創作フラメンコの披露、上教大付属中学校の生徒による朗読や未明作品「野ばら」の朗読劇などが行われた。

朗読劇を披露する上教大付属中3年生

生誕140周年記念として、小川未明研究会による未明をテーマにした自由作文コンクールの表彰式も実施。県内外の中学生から80代まで約230点の応募があり、上越教育大学教授で同研究会の小埜裕二さんから入賞者に賞状が贈られた。

最高賞の大賞に輝いた同市の斎藤幸子さんは、太平洋戦争で東京から高田に疎開した自身の戦争体験と、現在のロシアによるウクライナ侵攻から、戦争を題材にした「野ばら」の結末について「戦争の虚しさ、愚かさ、悲しさを感じる」などとつづった。

作文を読み上げる自由作文コンクール大賞の斎藤さん(右)

記事参照元:上越タウンジャーナル

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

seven − six =