近密な関係も有利な審査も「問題ない」 中川市長が見解 上越市通年観光プロポーザル出来レース問題

新潟県上越市の中川幹太市長は2023年8月25日の定例記者会見で、通年観光計画策定支援業務の公募型プロポーザルで市が自ら制定した規則に反し、選定業者が有利になる方法で審査していた問題をはじめ、選定前から業者と近密な関係にあったことなどについて、「問題があったとは思わない」との見解を示した。

記者会見で「問題ない」と表明した中川市長

市長「担当部局にまかせている」

中川市長は「間違いが起きているとは判定していない」などと述べたが、具体的な理由については「担当部局にまかせている」と言及しなかった。

プレゼン資料事前配布

今回のプロポーザルには3業者が応募。3業者は6月14日までに企画提案書を市に提出し、6月21日の選定委員会でプレゼンを行った。審査の基本となる企画提案書は、「A4版3ページ以内」と定められており、選定委員に事前配布される。プレゼン資料は枚数に制限はなく、配布されるのは選定委員会当日とされていたが、市は事前に配布した。

市の担当部長は「プレゼン資料は枚数制限がなく、結果的に結構な枚数が出てきたので、選定委員にきちんと公平に審査してもらうため、当日ではなく事前に送付したほうがいいと考えた」と説明した。また要領では「プレゼン資料を事前に送付するということは決まってない」と説明した。

選定事業者が有利に

しかし、選定されたEssaの企画提案書は、ほとんどの項目をプレゼン資料に委任する旨を記載した異例の内容で、プレゼン資料は別の業者の2倍の分量だった。市がプレゼン資料を選定委員に事前送付したことで、Essaにとっては企画提案書の分量の制約(A4版3ページ以内)が事実上ない状態となり、審査で有利となったといえる。

事前配布は要領違反

また、落選した業者が事前にプレゼンの決まりについて市に書面で質問した際、市は要領を参照するよう回答していた。しかし、要領はプレゼン資料について選定委員会当日に使用することだけを前提にしていることから、質問した業者にとって事前送付は予見できない。

市は今回、企画提案書とプレゼン資料をいわば一体として扱う運用を行ったが、要領はプレゼンの際には企画提案書の記載内容を説明するように求めており、企画提案書を中心に審査を行うことを明確に示している。

要領の中でプレゼン資料に関係する部分は次の通りだ(下線は編集部)。

記事参照元:上越タウンジャーナル

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