政治倫理条例の制定見送り 上越市議会「必要性感じない」
上越市議会議会改革推進特別委員会は、議会改革の一環として検討してきた政治倫理条例制定を見送ることを決めた。「必要性を感じない」とする意見が多かったという。条例制定を見送り、議員の政治倫理などの知識を高めるための研修会を実施するとしている。
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特別委は議会のオンライン化や通年会期制の導入、政治倫理条例の検討などの議会改革に取り組むため2024年6月に設置され、2026年度の導入を目指して三つの分科会で議論してきた。
政治倫理条例は、収賄事件で有罪判決が確定した市議の居座りを受けて1983年に大阪府堺市が全国で初めて制定して以降、全国の自治体で制定されている。
上越市議会では特別委の分科会が、複数の先進自治体の条例を調査分析し、議論してきた。2024年12月24日の分科会の採決では、メンバー4人全員が制定見送りに賛成。2025年2月17日の委員会で了承された。分科会では、制定見送りの理由として「市民の監視の目が必要以上に厳しくなり、議員活動ができなくなる可能性が高い」「悪意を持って行動する市民もいることから慎重に検討すべき」「現在、当市議会において問題はなく、市民の信頼回復が必要な状況ではないことから、条例の必要性を感じない」などの意見があったという。
分科会の高山優子委員長は「他議会の条例制定のきっかけが犯罪絡みのものが多く、現在議会にそのような問題はないので、必要性は感じないという意見が多数だった」と話した。
2024年5月の副議長選挙で政治倫理条例制定を公約に掲げ就任した近藤彰治副議長は「オブザーバーとして分科会に参加したが、(条例制定に)賛成したのは私だけだった。残念だ」と述べた。
記事参照元:上越タウンジャーナル