高田まちかど交流館に「高田酒類会館」入居 地酒の試飲などを計画
新潟県上越市が所有する同市本町3の高田まちかど交流館(旧第四銀行高田支店)の事務室に、2022年4月1日から「有限会社高田酒類会館」(西城町3、竹田成典社長)が入居する。同社は事務所として使用するほか、2023年度以降に地酒の試飲や特産品販売などを行うことを目指している。
高田まちかど交流館は1931年(昭和6年)に百三十九銀行本店(後の第四銀行高田支店)として建設された昭和初期としては珍しい鉄筋コンクリート造りの洋風建築。2019年に市文化財に指定された。無料で見学や休憩ができるほか、天井に模様がある吹き抜けの1階ホールは貸館としてイベントなどで利用されている。
事務室は1965年に増築された文化財ではない部分で、1階の事務室をはじめ倉庫や2階の会議室などがあり、延べ床面積は約307平方m。2011年10月から事務室として使用していた同市の文化振興課が、庁舎再編に伴い2021年10月に市役所木田庁舎に移転したことから、市が建物の管理や来館者対応も含めて活用する民間事業者をプロポーザル方式で募集していた。
移転入居する高田酒類会館は、地元の蔵元や酒小売店、卸売業者などのぞれぞれの組合が出資した会社で、委託を受けて各組合の事務などを行っている。
市によるとプロポーザルに応募したのは同社のみで、日本酒に関わる組織からなる会社の特徴を生かし、「発酵」や「日本酒」の発信拠点として期待できることなどが評価され、選定された。
同社によると、事務所として使用しながら1年間検討を行い、2023年度以降に1階事務室で地酒の試飲や特産品販売、2階会議室はシェアオフィスとしての活用を目指す。また観桜会や観蓮会、レルヒ祭などに合わせ、1階ホールで「ミニSAKEまつり」などの自主イベントを開催するなど、建物の利用促進も図る。
小林元事務局長は「本町商店街という立地の良さのほか、歴史ある建物は古い歴史がある日本酒との共通項もある。市が進める通年観光も視野に酒をテーマにした活性化の仕掛けづくりをしていきたい」と話した。
記事参照元:上越タウンジャーナル