“路上の芸術”マンホールの蓋 上越市内に16種類も“路上の芸術”マンホールの蓋 上越市内に16種類も
9月10日の「下水道の日」にちなみ、新潟県上越市内にあるデザインマンホール16種類を紹介する。マンホールの蓋は自動車で通過したら見過ごしてしまうが、ゆっくりと歩けば“路上の芸術”を楽しむことができる。ウオーキングを兼ねてマンホール蓋の探訪はいかがだろうか。
上越市内のマンホール蓋のデザインは、合併前のものが今も使われている。合併前上越市のほか、大島区、清里区を除く11区でデザインマンホールが使用されている。公共下水道と農業集落排水の図柄があり、計16種類のデザインが存在する。上越市の下水道センターでは「下水道の本管工事は合併前上越市と大潟区を残すだけとなり、新たに統一したデザインの蓋を作る状況ではない。基本的に合併前のデザインを使っていく」と話す。
鎌倉彫を思わせる蓋のデザインは、市町村の花や木、産業、風景、観光名所などを盛り込んでおり、地域の特色がよく分かる。日本独特のもので、最近は外国人観光客にも注目されているという。
蓋は無彩色のものが多いが、彩色したものを見かけることがある。駅前通りや公共施設の付近にあることが多い。カラーの蓋を探してみるのも楽しい。
最近はマンホールカードを発行している市町村が増加している。カードは下水道への関心を深めてもらおうと、日本下水道協会が各自治体と協力して制作している。県内では新潟市、長岡市、村上市、燕市などで、30種類以上が発行されている。下水道センターでは「上越市は種類が多い上、配布場所などの選定も難しく、今のところ発行する予定はない」という。
下水道センターの1階と2階には、デザインマンホールの実物やレプリカが展示されている。全国各地の珍しいマンホールカードも紹介されている。
上越市内のデザインマンホール蓋
◇合併前上越市
高田城址公園の「黒鳥と白鳥」。黒鳥は1980年に山口県宇部市から贈られたもので、2007年ごろまで内堀に生息していた。ほかにハスとサクラの花が描かれている。下部は上越市の市章。本町通りのアーケード下にカラーのマンホール蓋がある。メダカの図柄は農業集落排水のもの。
◇柿崎区
中央には霊峰米山を背景に2隻のヨットが帆を膨らませている。周囲の花は、町の花ハマナス。国道8号のしまむら付近にカラー蓋がある。
◇大潟区
人魚塚にまつわる伝説から、人魚は大潟区のシンボルになっている。鵜の浜海岸や、日帰り温泉「鵜の浜人魚館」に人魚像があり、潟町駅には人魚のステンドグラスやレリーフが飾られている。蓋には大きく人魚が描かれ、カニや魚が泳いでいる。カラー蓋は人魚館近くにある。
◇吉川区
農業集落排水のデザインが2種類ある。町の鳥ウグイスに町の木ウメをデザインしたものと、尾神岳で大空を舞うパラグライダーを描いたもの。
◇三和区
農業集落排水の蓋。中央のマークは三和村章。村の花スイセンと、稲穂が描かれている。
◇板倉区
中央は町の花ヤマツツジ。周囲にアルファベットで、ITAKURA MACHIと書かれている。
◇安塚区
マスコットの雪だるまを大きく配置。町の花スイセンも描かれている。
◇頸城区
公共下水道の蓋の中央には、村の花アヤメが大きく配置されている。ホタルも舞っている。農業集落排水のデザインは、中央に頸城村の村章を置いた。ほかに村の花アヤメ、稲穂と田んぼ、ホタルと盛りだくさんだ。
◇浦川原区
中央に旧浦川原村の村章である四つ葉のクローバーがデザインされている。
◇牧区
シンプルなデザインで、中央にあるのは牧村の村章。
◇中郷区
上部には妙高山、下部には村の花サクラが描かれている。
◇名立区
公共下水道の蓋には名立区のシンボル鳥ヶ首岬灯台(通称・名立灯台)と、日本海に沈む夕日が描かれている。農業集落排水の蓋は、中央に町の花スイセンが描かれている。周囲には町の木サクラが配置されている。
関連サイト
◇マンホールふた総合サイト「ひらけ!マンホール」
https://www.hirake-manhole.com/
◇東京都下水道局のサイト
https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/business/b1/designmanhole/index.html
記事参照元:上越タウンジャーナル