上越市の内部文書1万4000枚 資源物ステーションに放棄 個人情報947件に予算案協議、議員対応メモも
新潟県上越市の本来外部には公開されない行政文書が、同市高土町の資源物回収ステーションに大量に捨てられていた。不特定多数の市民が訪れる場所に、行政内部の協議記録や議員からの相談メモなどを含む多種多様な内部文書が置かれていたことから、上越タウンジャーナルは市に事実を伝え、市は2023年4月6日、回収した。市が調べた結果、書類は約1万4000枚あり、市民の住所や氏名などの個人情報がのべ947件含まれていた。本来焼却処分すべき書類を誤って資源物回収ステーションに運んだという。
A4書類など20束以上が無造作に
市民から「市の内部文書が大量に捨てられている」との連絡を受けた上越タウンジャーナル記者が現場に行くと、雑誌類を回収する樹脂製のかごに、20cmほどの厚さのA4書類を紙ひもでしばった束が20以上無造作に置かれていた。ほとんどが生活環境課関係の文書で「予算要求説明書」と書かれた書類が一番上になっている束もあり、一見して内部文書であることが分かった。市民の住所や氏名などを書いた封筒、メモなども多数あった。見える範囲で確認しただけでも、書類の内容は多岐にわたっていた。
本年度予算の内部資料など
まず、担当課が予算案作成の際に財政部局と協議するための予算要求説明書は、先月成立したばかりの令和5年度予算のものだった。書類には「超える部分についてどのようにするか 財政法照会」など手書きのメモが付箋で貼られているものもあった。課内の担当者会議の記録、進行手順、名簿など一式を綴った束もあった。
議員への対応 聞き取りメモも
「懸案事項処理票」という書類には、市議会議員が個別に持ち込んだ市民からの相談とその対応が、手書きで詳細に記されており、課長以下4人の決済印もあった。
昨年9月市議会定例会の一般質問に向けた議員への聞き取りの詳細なメモも含まれていた。メモは手書きで、「市長協議」の必要な事項や、記録した職員の感想とみられることなども書かれていた。
内部、外部とのメール
業者とのメールや、市役所内部でのメールのやり取りを印刷した紙も含まれていた。市民とみられる人からの問い合わせの手書きメモには、相手先の携帯電話の番号なども記されていた。
焼却せず誤って運搬
市によると、こうした内部文書は本来、シュレッダーにかけるか、クリーンセンター(同市東中島)に直接持ち込んで焼却処分にするという。今回の文書はクリーンセンターで一時保管されていたが、5日午後2時頃に担当者が同センターにあった資源物とともに誤って資源物回収ステーションに運んだという。6日午後の回収まで24時間以上置かれていたことになる。
市は7日午後に記者会見して、詳しい経緯や対応などを公表する予定。
記事参照元:上越タウンジャーナル