飲食店×酒屋×酒蔵 “タッグ組み”日本酒開発 11日から10店で提供開始

開発した日本酒「ザ・タッグ」を手にする(左から)荻原さん、杉田さん、大山さん

飲食店、酒屋、酒蔵が協力して開発したオリジナル日本酒がこのほど完成した。その名も「Challenge Brew“THE Tag”(チャレンジブリュー ザ・タッグ)」。酒造りには同酒を取り扱う飲食店店主も参加。3者が「タッグを組み」結実した日本酒は11日から、上越地域の10店舗で提供を始める。

開発を企画したのは、上越市春日新田1の酒店「まいど屋」専務取締役の杉田佑馬さん(33)と、同市大町4の大山酒店店長、大山貴生さん(43)。日本酒の消費喚起や新型コロナの影響を受けた飲食店に客足を戻したいと、今春に構想。製造は近年蔵を新しくし、新たな酒造りに取り組む武蔵野酒造(上越市西城町4)に依頼した。

製造したのは、原料米と仕込み方法が異なる2種類の日本酒。一つは山田錦とコシヒカリを組み合わせ、現代の日本酒のほとんどで採用されている「速醸仕込み」で製造。もう一つは五百万石と新之助を組み合わせ、昔ながらの醸造方法「水もと」で仕込んだ。室町時代に確立された酒母造りの手法で、時間と手間はかかるが、大山さんは「酸が立ち、心地よい味わい」と評する。

いずれも日本酒の甘さや辛さの指標「日本酒度」は非公開。武蔵野酒造の杜氏(とうじ)、荻原亮輔さん(41)は「甘いとか辛いといった先入観を持たずに、自分好みの日本酒を見つけてほしいから」と理由を語る。

企画に賛同した飲食店店主は洗米や、こうじ室(むろ)でこうじ菌を振りかける作業を体験。自分たちが手がけた酒、という感慨や自信が深まったという。

提供価格は店舗によって異なり、100ミリリットルのグラス1杯700円(税込み)から。当面は小売りせず、参加飲食店でのみ飲むことができる。

杉田さんは「店主は酒造りの体験を会話のきっかけに、自信を持って提供してほしい」、大山さんは「2種の飲み比べを楽しんで」、荻原さんは「さまざまな料理と共に味わって」とアピールしている。

提供店舗は酒処みゆき(上越市中央1)、旬香集陶泰三(同中央1)、和みめしやHAJIME(同松村新田)、雁木亭(同仲町3)、焼肉レストラン慶州(同春日野1)、居酒屋彦左エ門(同仲町3)、会心きざわ(同大学前)、雑多居酒屋しののめ(同仲町4)、和彩酒膳桜庵(妙高市柳井田町2)、樹(糸魚川市能生)。

記事参照元:タイムスLite

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