柿崎区の大工仲間 古屋富士夫さん・佐藤洋治さん 「趣味」の域超え職人技 木工作業に情熱注ぐ こね鉢やギター製作

木工ろくろ製作の古屋さん(左)とギター製作の佐藤さん(古屋さん宅で)

 柿崎区三ツ屋浜の古屋富士夫さん(69)と同区上下浜の佐藤洋治さん(68)はそれぞれ建築業を営む大工仲間。本業に劣らず情熱を注ぎ込むのが木工作業だ。古屋さんは木工ろくろの機械を使い、こね鉢や皿、一輪挿し、つぼなどを、佐藤さんは木工ギターを製作。いずれも「趣味」というが、それ以上の力作。知る人ぞ知る存在だ。

古屋さんは5年ほど前に、知り合いの工務店の人から木工ろくろの機械を引き継いだ。以来、建築業の経験を生かし、作業に没頭してきた。群馬県上野村に在住する職人の元にも通い、さらに腕を磨いた。自宅の作業場を工房にし、完成した製品を置いている。

古屋さんの工房にある木工ろくろの機械

主にケヤキを使った、直径1メートルもあるこね鉢や皿、つぼ、一輪挿しなどが所狭しと並ぶ。「テレビで優勝杯などを見るとイメージしてしまう」と笑う。これまでに約500点。欲しい人には売っているが、商売ではないといい、「仲間がいるし、楽しくやっている」と柔和な表情を浮かべた。

佐藤さんはギター製作で約10年。大島区にギター工場があり、訪れた際に勧められたのがきっかけ。これまでにギター13本、ウクレレ5本を全て手作業で作った。2人は音楽が共通の趣味で、巨大スピーカーを作り、ギターなどを奏でる。

取材の時に持参してきたギターにはネックやヘッド、ボディーにブドウの房や葉、つるの装飾がある。木を彫って、そこに貝殻を削って埋め込む繊細な工程で、根気、集中力が要る。手の込んでいる物は製作に複数年かかるという。「冬は仕事が減る。何もしていないよりは。楽しく作っている」と同じくやりがいを口にした。

手の込んだ装飾が施された佐藤さんのギター

記事参照元:上越タイムス電子版