上越総合病院が透析治療体制を強化 規模縮小の新潟労災病院から患者引き継ぎ、専用棟新設し増床

新潟労災病院の透析患者の受け入れを始めた県厚生連上越総合病院の透析棟=上越市大道福田

新潟県厚生連上越総合病院(上越市大道福田)は4月、規模縮小が続く新潟労災病院(上越市東雲町1)から透析治療を引き継ぎ、患者の受け入れを始めた。敷地内に「透析棟」を新設し、専用のベッドを30床から70床に増床したほか、スタッフを増員して対応している。

新潟労災は、上越総合と新潟大から医師の派遣を受けて透析治療をしていたが、医師不足のため、県が開催する上越地域医療構想調整会議で2022年、上越総合に機能を集約する方針が決まった。

上越総合は病院建物に隣接する駐車場だった敷地に2024年3月「透析棟」を新設。鉄筋コンクリート造り2階建てで透析の設備を備えた70床を設けた。設備の操作などを担う臨床工学技士を3人、看護師を11人増員して約40人のスタッフをそろえた。増員した看護師の一部は新潟労災から移籍した。

新潟労災から引き継いだ透析患者は63人。事前のカルテ作成などの手続きを経て4月1日に透析を始めた。新潟労災が休止していた夜間透析も週3回行う。

上越総合の担当者は「スムーズに引き継ぐことができている。透析の体制も強化されており、患者さんには安心してもらいたい」としている。

患者数の減少や医師不足などを背景に、上越地域医療構想調整会議では地域医療の再編を議論。新潟労災は2025年度中に閉院し、整形外科や脳神経外科を上越総合が引き継ぐことが合意され、準備が進められている。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス