91歳の純喫茶経営者…人生まだまだ夢だらけ!新潟県内各地で聞いた「充実シニアライフ」の秘訣

9月16日は敬老の日。趣味に仕事に、生きがいを持って朗らかにシルバーライフを送っている80代、90代の“人生の先輩たち”を新潟県内に訪ねた。

◆純喫茶「シティーライト」の灯、守り続け40年

「今も自力で生きられていることを誇りに思います」。上越市の長明子さん(91)は高田本町商店街で純喫茶「シティーライト」を1人で切り盛りしている。40年前の開店当初と同じ午前10時から午後7時まで店に立ち、常連客と談笑しながら丁寧にこだわりの一杯を入れる。

旧満州(中国東北部)生まれ。鹿児島市で飲食店を営んでいた頃、後に夫となる船乗りの常連客に「一緒に喫茶店を開きたい」と口説かれた。承諾すると夫は船を下り鹿児島で修業。長さんが52歳の時、夫の故郷上越に移住し、大和上越店(当時)の向かいに店を出した。焙煎(ばいせん)にこだわった夫は5年前、永遠の旅に出た。今は夫が愛した修業先のものを使っている。

らせん階段を上がった先に広がる落ち着いた雰囲気の店内には、えりすぐりのカップやソーサー、アート作品が並ぶ。「自分の城ですから、自分の好きな物を集めました」とはにかむ。

カウンター越しに常連客と談笑する長明子さん=上越市本町4

仕事帰りに寄れるようにと営業時間を午後7時までにしている。新潟県内外からリピーターが訪れるが、高齢になると階段がきついのか、客層は若返っているという。週末はインターネットの口コミを見た若い世代でにぎわい「力をもらっています」と目を細める。

異なる色のガラスを溶かしながら繊細な模様を表現する「トンボ玉」の作家でもあり、店の隅で制作に励む。「やりたいことが山ほどあって、いつも前に向かって走っている感じ」。充実感に満ちた笑顔を見せた。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス