直江津中心に地域伝える 『直江の津』55号で終刊

終刊となる55号を前に、刊行してきた上越なおえつ信金倶楽部の小林代表幹事

上越直江津しんきん倶楽部(小林正夫代表幹事)が刊行する地域情報紙『直江の津』が1日発行の55号で終刊となった。上越市直江津地域を中心に歴史や文化、経済などの情報を伝えてきた。55冊の内容はデジタル化して残される予定となっている。

平成13(2001)年に旧直江津信用金庫の外郭団体、直江津信金倶楽部が発刊。編集は北越出版(佐藤和夫代表)が担当。年に4回の季刊として刊行された。同16年の高田信用金庫との合併により現在の名称となった同会は、来年度から同じ外郭団体のたかしん会、しんきん地域経済塾と発展的統合をすることから、今号で最後とした。

小林代表幹事は刊行の目的として企業の入れ替わりなどで新たに来た人に直江津を知ってもらうことを挙げ、「地元で仕事をする自分たちも知らなければならない」と意義を話した。会員の減少により平成20年に休刊したが、「他に代わるものがない」などの声を受けて同25年から再開。扱う題材を直江津から上越エリアに広げ、年2回の刊行を続けてきた。

過去の『直江の津』を見て振り返る北越出版の佐藤代表

北越出版の佐藤代表は「各号の最後に載せている『発刊のことば』の原則を守ってきた。客観的に見ると、地域のB級的な文化を取り上げてきた」と振り返る。直江津周辺が歌詞に多く取り上げられている鉄道唱歌や、長野県の修学旅行生が犠牲になった直江津海岸の遭難事件など、意外なものを発掘できたことも意義だったと話した。

最終号となった55号は、小林代表幹事と上越信金の日馬直一理事長による対談や、元上越市専門学芸員の小島幸雄さんによる同誌で続けてきた連載の集大成などを掲載している。

小林代表幹事は「よく頑張って続けてもらった。広がりは多くなかったかもしれないが、待っていてくれた人がいた」、佐藤代表は「好きなことをやらせてもらえた。将来、もう少し調べたいという人の参考になれば」と思いを語った。

記事参照元:上越タイムス電子版