プロライセンス取得へ 上越高サッカー部・藤川祐司監督(37) 成長見据え果敢に挑戦 県内高校指導者で初

通知文を手に、日本サッカー協会プロライセンスを受講する藤川監督通知文を手に、日本サッカー協会プロライセンスを受講する藤川監督

上越高サッカー部の藤川祐司監督(37)が日本サッカー協会(JFA)の最高位の指導者資格、Pro(プロ)ライセンス(旧S級ライセンス)取得へ来年度の養成講習会に参加する。このほど同協会から、トライアルを通過した受講者20人が発表された。元日本代表をはじめJリーグクラブや大学の指導者が多い中、高校の指導者は3人だけ。藤川監督は元日本代表の槙野智章さん(37、品川CC横浜監督)らと共に最も年齢が若い。関係者によると、プロライセンス取得となれば本県の高校指導者で初めてという。

横浜市出身。横浜F・マリノスユース、神奈川大から、Jリーグ4チームで6年間プレーした後、創部を目指し募集していた上越高サッカー部監督に2016(平成28)年に就任。県のベスト4に入り、プリンスリーグ北信越(2部)に昇格するなど、着実に成長の歩みを進めている。「負けない戦術でチームをつくってきた。安定的に選手がそろうようになり、これから新しいフェーズに入っていく時期。自分も果敢にチャレンジし、パワーアップしないと」と受講の動機を話す。

1年生の全国大会初優勝の後、部員を鼓舞する藤川監督(左)。情熱的な指導でチームをけん引する(昨年9月)

これまで9年間、右肩上がりに結果を残しながらも、「充実感ややりがいはあるが、自分は成長しているのか不安な気持ちがここ1、2年強くなっていた。自分がレベルアップしていかないと、子どもたちがレベルアップできない」と自身の置かれた状況を見据える。「選手たちを人として、サッカー選手として成長させたい。勝たせたい」と言い、プロライセンスを経て「県で一番を取りたい。上越、新潟、北信越のサッカー指導者のリーダーとして活躍していきたい」と目標や意気込みを語る。

プロライセンスは、国内で約1500人(A級ライセンス)の受講資格者がいるとし、厳正、何種類もの選考を経て20人の狭き門に入った。今後は3月中旬から約1年、日本サッカー協会の研修、Jリーグや海外クラブでの研修を重ねる予定。取得すれば日本代表やJクラブの監督を務めることができる国内最高峰の資格だ。

研修は平日も行われるため、学校の教諭の仕事は休職し、サッカー部監督の籍は残して続けるという。過密日程の中、受講と研修、部の指導を並行する意気込みだ。「監督をやりながらプロライセンスを取る。学校からもサポート、理解をいただき、背中を押してくれた」と感謝する。

ユース(高校生)世代のサッカーはクラブチームと高校(高体連)のチームの二つがあるが、今回の受講者を見ても高校の指導者は3人と少ない(他に長崎・国見高監督、滋賀・近江高監督)。藤川監督は「高体連の若い指導者がプロライセンスを目指すことが日本サッカーの発展につながっていく。現場の指導者に差があってはいけない。そこを打開したい」と熱く話す。

記事参照元:上越タイムス電子版