宮越氏が不出馬を表明

任期満了に伴う新潟県上越市長選(24日告示、31日投開票)で、出馬を探る動きを見せていた元市長で市議の宮越馨氏(80)が8日、市内で記者会見し、立候補断念を表明した。

市長選には元市議の中川幹太氏(46)と前副市長の野澤朗氏(64)が既に立候補を表明。選挙戦は新人同士の一騎打ちとなることが確定的となった。

会見で宮越氏は、立候補を断念した理由について、「80歳を迎え、出馬に家族の理解が得られなかった」と説明した。

宮越氏は同日、中川氏と市役所組織の見直しなどを含む「政策協定」を締結。宮越氏は「(自身が考えた)政策を実行してもらえればありがたい」と話した。

宮越氏は1993年から上越市長を2期8年務めた。昨春の市議選でトップ当選し、政界に返り咲いた。

先月には政策ビラを全戸配布するなど市長選への立候補に意欲を示していたが、支持者らの間では高齢などを理由に、出馬に慎重な意見も出ていた。

◎新人同士の一騎打ちに

宮越馨氏の不出馬表明を受け、新人同士の一騎打ちの構図が固まった上越市長選。知名度の高い元市長との連携をアピールして浸透を図る中川幹太氏に対し、野澤朗氏は支援を受ける政党や経済界の力を結集し、選挙戦に挑む考えだ。

8日の宮越氏の不出馬発表は、中川氏との「共同会見」という形で行われた。中川氏は「宮越氏からダイナミックな政治手法を学びながら進んでいきたい」と話し、カメラの前で元市長と握手を交わした。

中川氏は宮越氏と、市役所改革や地域分権などに関する「政策協定」を締結。中川氏は「(自分の政策と)似ている部分はどんどん取り入れたい」と説明した。

ただ、「全てではない。取捨選択をする」と強調。「宮越氏に副市長に就いてもらうことはない」とも繰り返し、両氏の微妙な距離感もうかがわせた。

野澤氏の陣営では中川、宮越両氏の連携に「想定外」と驚きが広がったが、「一騎打ちで戦う相手がはっきりし、訴えもしやすくなる」と意気が上がった。

野澤氏は8日、朝のつじ立ちや出身地である直江津地区での街頭演説、企業訪問などをこなし、支持拡大を訴えた。「ひたすら市民に語りかける愚直な活動をやるだけだ」と語った。

9日には与野党の地元代表を招き、700人規模の総決起大会を開く。選対本部長の内山米六・元市議は「事態の変化に惑わされることなく、心一つにまとまっていきたい」と話した。

記事参照元:新潟日報モア

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