〈スポカル〉直江津中等模擬国連クラブ 5年連続で全日本大会出場 国益と国際協調、バランス考え議論
直江津中等模擬国連クラブは、全日本高校模擬国連大会への出場や、国際理解を目的に活動しているクラブ活動。活動4年目の本年度は1年生(中学1年)から5年生(高校2年)までの約20人が所属。来年度から部活動への昇格が決まり、活動に一層力が入る。
模擬国連は参加者が実在の国の大使となり、現実と同じ国際問題を議題にして会議を行う。形式は国連会議や国際会議そのもので、会議外での交渉や、英語での決議文作成などがあり、ディベート以外にもさまざまな能力が求められる。会議をまとめるだけでなく、それぞれの国益を守ることが何より重要で、主張を通すことと妥協点を探ることのバランス感覚や、担当国、議題への深い理解も必要となる。
クラブは週に1回行い、会議の演習や英語でのディベート、海外在住者とのオンラインミーティング、国際問題をテーマにしたプレゼンテーションなどさまざまな活動をしている。部長の樋口ひなたさん(5年)は「活発に議論し、それぞれの問題に取り組んでくれている。国際問題を身近なものとして考え、各国の立場で考えることで、国際問題の複雑さを実感している」と話す。
全日本大会は2人一組で出場。出場権を勝ち取るための書類選考は英語の論文の要約や、特定の立場の国としての主張をするといった課題が出される。同校はクラブが発足する以前から個人で参加しており、本年度、5年連続の出場を決めた。樋口さんと小林眞子さん(5年)が2年連続、同じペアで出場する。
昨年度はオンライン開催だったが、本年度は11月13、14の両日に兵庫県淡路市の淡路夢舞台国際会議場で開かれる。テーマは「核軍縮」で、核保有国や核兵器禁止条約の推進国、核の傘の依存国などの立場から議論を交わす。
樋口さんは「去年は強豪校に圧倒され、発言ができなかった。1年間技術を学んできたので、県初の入賞を目指したい」、小林さんは「オンラインを活用し、他校との練習会に参加したことで、国益をどう実現するかを考えられるようになった。今年は生の会議ということで怖さもあるが、とても楽しみ」とそれぞれ意気込む。
記事参照元:タイムスLite