全上越市職員に抜き打ちで災害対応訓練 中川市長肝いり施策

上越市は2021年11月16日、職員の勤務時間外に災害が発生した想定で初動対応訓練を行った。職員には事前に知らせず、当日全職員にメールを送り連絡体制を確かめたほか、災害対策本部室と一部の避難所を開設し、非常時の初動体制を確認した。「災害時には応用力が大切」と訴えてきた中川幹太市長の肝いりで実施した。

災害対策本部室で情報収集などの訓練に当たる職員(16日午前7時前)
20211116上越市職員災害対応訓練1

11月9日に就任した中川市長は選挙時から災害対応力の強化を掲げており、就任後すぐにでも訓練を実施したいとしていた。災害対策本部の動きを確認するなどの目的で就任後1週間でさっそく実施した。勤務時間外に職員を非常参集し本部を設置する訓練は2014年以来約7年ぶり。

想定内容は、午前5時半に同市東部を震源とするマグニチュード7の地震が発生し、市内全域で震度5弱以上が観測されたというもの。市では震度5強以上の地震が発生した場合、災害対策本部が立ち上がり、全職員はそれぞれの持ち場へ参集する。同6時に全正規職員1698人にメールを送り、参集可能かどうかの返信を求め、同8時時点で6割の1019人から参集可能との返信があった。

今回実際に参集したのは災害対策本部連絡員約40人ら一部職員のみで、午前7時前に木田庁舎に本部室を開設。統括調整部や被害調査部、救護救援部などに分かれて被害状況の情報収集などに当たった。13区の総合事務所ともテレビ会議でつなぎ、対策本部長の中川市長は「住民と職員の安全を最優先に、情報収集と安全確保に万全を期すように」と指示した。

災害対策本部の職員の動きについて説明を受ける中川市長(右)
20211116上越市職員災害対応訓練1予備

指定避難所は同市中央1のレインボーセンターのみ開設し、中川市長が視察。新型コロナ対策で設けられた体調不良者専用スペースや、段ボールベッドや非常食といった備蓄品を確認するなどした。

避難所で備蓄品の缶詰のパンを試食し「おいしいパンですね」と語る中川市長(左)
20211116上越市職員災害対応訓練2予備

中川市長は訓練後、「現場で気づいた課題をくみ上げ、改善できるよう仕組みを作るのが大事。応用力をつけるため、シナリオのないものを含め頻繁に災害訓練をやっていきたい」と話した。

記事参照元:上越タウンジャーナル

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

eleven + 16 =