高校生アートコンペで最高賞「ダ・ヴィンチ大賞」 上越総合技術高3年の植木日菜さん

次世代の芸術文化を担う若者の発掘を目的とする「“世紀のダ・ヴィンチを探せ!”高校生アートコンペティション2021」(大阪芸術大学主催)がこのほど開催され、新潟県立上越総合技術高校建築環境科3年、植木日菜さん(18)が最高賞「ダ・ヴィンチ大賞」を受賞した。高田城址公園内の複合施設として設計した図面と模型を出品し、見事全国518校、1753作品の頂点に輝いた。

「ダ・ヴィンチ大賞」を受賞した植木さん
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今年で15回目を迎えた同コンペは、様々な芸術に精通したレオナルド・ダ・ヴィンチにちなみ、建築や絵画、アニメーション、映画、作曲など、多彩な芸術ジャンルで高校生から作品を公募。一次から最終まで三つの審査を経て2021年11月28日に、入賞者発表と授賞式が同大で行われた。

同校建築設計部の部長を務め、日頃から模型づくりに取り組んでいた植木さんは、今年4月から課題研究授業の一環で、同コンペへの出品を目標に制作を開始。放課後も遅くまで残り、土日や夏休みを返上して打ち込んだ。

植木さんが設計した図面・模型作品「思い出の一ページ」は、「通学途中に気軽に立ち寄れる施設を」と高田城址公園の芝生広場に建設を想定した複合型施設。図書館を中心に公園、カフェ、マーケットなどを設け、建物は「高田の地で思い出の一ページをつづってほしい」という思いを込め、本を開いたような形状にした。

植木さんの模型作品「思い出の一ページ」(上越総合技術高校提供)
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2年生で挑戦した他のコンペで入賞を逃した反省から、「その土地ならではの特性や風土を生かそう」と、施設の様々な場所にサクラの花びらをデザイン。また、店内に直接出入りできるようにと高田の雁木通りをモチーフにした「雁木ロード」も取り入れ、雪が多く降る冬にも子どもたちが外で楽しめるようにと公園には傾斜をつけ、ソリ遊びができる工夫をした。

「思い出の一ページ」の図面と作品説明パネル
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受賞については「これまでの経験を生かして地域の魅力を引き出した作品が完成し、想像以上の良い結果が出せてうれしい。支えてくれた先生や友達、家族には感謝の気持ちでいっぱい」と話した。

指導に当たった同科の竹田希和教諭(23)は「人にない発想力が強み。好きなことには真っすぐな性格で、コンペに向けて授業時間外にも自主性を持って取り組んでいた」とたたえた。

卒業後は長岡市の長岡造形大学への進学が決定しており、「建築に取り入れる美術的な造形基礎を学び、コンペにも積極的に挑戦して経験を積みたい」と話す。将来の夢は「地域に長く愛される建物を設計する建築家。いつか自分を育ててくれた地元に、幅広い世代が交流できる施設を建てるのが目標です」と目を輝かせている。

▼「“世紀のダ・ヴィンチを探せ!”高校生アートコンペティション2021」
https://oua.osaka-geidai.ac.jp/geidai/davinci/leonardo2021/index.html

記事参照元:上越タウンジャーナル

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