30年後の地域はどうなる? 清里区で住民が未来づくり

農業をする人の高齢化率が80パーセント。これは、上越市の清里区です。このままでは集落が維持できなくなると、地域の住民がたちあがり、30年後のありたい姿を考える取組みがはじまりました。

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写真提供:「きよさと未来予想図」をつくる会推進チーム

この取組みは、住民が立ち上げた「『きよさと未来予想図』をつくる会」がはじめました。清里区の人口は2020年の2,608人が30年後の2050年には半分以下になると予想されています。

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「このままでは、地域そのものが立ち行かなくなる!」その危機感から、会では去年7月から6回にわたり、30年後のありたい姿を考えてきました。参加しているのは、20代から70代までの住民40人ほど。

そのなかで中心となっている1人が、Iターン者で地域おこし協力隊の髙木桂さんです。

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髙木さん
「四季と自然が豊かなところに惹かれて、子どもと移住してきた。しかし来てみると、地域には子どもが少ない。お父さんやお母さんに話を聞くと『子どもは出ていった』と。こんなに素敵な地域なのだから、地域ぐるみで子どもを育てられる場にしたかった」

この日は、1年間の話し合いをもとに、具体的なプランを発表しました。キーワードは、子育て世代の移住農家を増やすことです。

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プランでは、区内に「農の広場」「里の広場」「山の広場」の3つの主要スポットをつくることが提案されました。

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そのうち「農の広場」は、農業法人「グリーンファーム清里」が中心となって、コメ作りなどの農業体験を提供し、都会の人が移住するきっかけづくりにつなげたい考えです。

「里の広場」には、農産物を生かしたカフェや道の駅などをつくります。そして「山の広場」では、かつての宿泊施設ビュー京ケ岳を再生させた、アウトドアゾーンを目指します。

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参加者
「休日どうしようと思ったときに、清里ですることがない。子どもたちからは『遊ぶところがない』という声が多く聞かれる。子どもが集って、遊んだり勉強できる場所がほしい」
「子どもたちの未来を考えない日はない。子どもが少ないことが、清里の未来にどれほどのダメージがあるのか。真剣に考えるいい機会」

この日は、地元の小学6年生が考えた10年後の清里が、動画で紹介されました。

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「2030年の清里を『みんなが過ごしやすいコンパクトシティ』にしたい。そのために、移動販売の定着を提案する。今は車が来ない場所があるので、企業に頼む。また、広告が上手くできていないので、自分たちで広告をつくる」「地域に中心の場所をつくればいいと思う。みんなが行き来しやすい場所に店や施設をまとめれば、活気がよくなる」

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会の活動で作成した「地元関係図」

現在、清里区は県上越地域振興局の「ビレッジプラン2030」の重点地域に選ばれています。「『きよさと未来予想図』をつくる会」は今後5年間ほど振興局のサポートをうけ、計画の策定と実現を目指します。

高木さん
「2年目に、農業関係、コミュニティ、商工関係、行政などが一体となった体制作りもしていく」

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会では、今年10月頃にプランをもとにしたイベントを実施したうえ、3年目に本格的な始動を目指します。

なお「ビレッジプラン2030」の重点地区には、清里区のほか、妙高市杉野沢地区と中郷区が選ばれています。

記事参照元:上越妙高タウン情報

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