〈動画あり〉料理レシピ動画を配信 自社製品使用し新たな食べ方提案 井部真理さん協力 上越市の2社
「出陣餅」で知られる老舗菓子店、かなざわ総本舗(上越市稲田4)と、「久比岐もち」の製造・販売を手掛ける農業法人久比岐の里(頸城区上柳町)はこのほど、自社製品を使った料理レシピの動画配信を始めた。レシピは毎月1品を紹介。食材として新たな食べ方を提案することで、自家消費の拡大や、若い世代への訴求を図る。
商品はいずれも、上越市の特産品として「メイド・イン上越」に認証されている。動画作成には事業継続や販売開拓、新商品の開発などに取り組む事業者を支援する、同市の「中小企業者等イノベーション推進補助金」を活用。レシピ調理は郷土食・郷土料理研究家の井部真理さんが担当した。
出陣餅は、ヨモギを混ぜた餅に、きな粉と黒糖蜜をまぶして食べる和菓子。贈答用などに使われてきたが、新型コロナの感染拡大により需要が激減。
同社の金澤一輝社長(53)は、これまでの「人からもらって食べるお菓子」から「自分で買って食べるお菓子」へとシフトチェンジ。「料理の食材として使ってもらい、自家消費量を増やしたい。出陣餅を知らない若い世代にも、動画を通して親しんでほしい」と願う。
1月は「出陣餅のとろ~りハンバーグ」のレシピを紹介。肉汁とともに溶け出すヨモギ餅の緑色がインパクト大の動画だ。
動画読み込み用の2次元コードは、出陣餅5個分が入ったお徳用商品「ガチ盛りパック」(税込み972円)のパッケージに添付。同商品は、本店と旧南高田町店に設置した自販機のみで購入が可能となっている。
久比岐もちは、白餅の他、しゃぶしゃぶ用の薄い餅や、スティック餅なども製造。「日本最古のファストフード」と銘打ち、電子レンジで調理できる手軽さ、どんな料理にも合う汎用(はんよう)性などの利点を生かし、1年を通してさまざまな食べ方を提案することで需要拡大を図る。
レシピは、主に同社社員が提案。1月は、スティック餅を使った「お餅の旨辛(うまから)トッポギ風」を紹介している。動画は同社ホームページのトップページで閲覧が可能。
峯村正文会長(73)は「アウトドアでの料理にも最適。動画配信を通じて餅の良さを広めたい」と意気込む。
両社のレシピ調理を手掛けた井部さんは「経営者や社員の皆さんの『こんなものができたらいいな』という思いを形にするお手伝いができてうれしい」と話した。
記事参照元:タイムスLite