「パートナーシップ制度」年度内に導入方針の上越市 市民団体と中川市長が面談
新潟県上越市に対し、LGBTQ(性的少数者)のカップルを婚姻と同等の関係として公的に認める「パートナーシップ制度」の導入を求めている市民団体が2023年7月7日、中川幹太市長と面会し、意見交換した。中川市長は本年度内の制度導入を表明しており、市民団体のメンバーらは、制度の策定段階から当事者や専門家の意見を反映させることや市民への周知などを要望した。
市長と面会した市民団体「上越市にパートナーシップ制度を求める会」(阿部和子代表)は、男女共同参画などに取り組む市内の5団体と個人で3月に設立され、4月から署名活動を展開。これまでに約2600人の署名を集め、8月に市に提出する予定だ。一方、中川市長は6月の定例市議会で本年度内にパートナーシップ制度を導入する方針を示している。
同会は市長に対し、制度の導入にあたっては、パートナー関係にある人の親族も家族として認めるファミリーシップ制度とすることや、当事者をはじめ市民団体や専門家などの意見を反映させること、制度について市民に積極的な広報を行うことなどを要望。市内在住の当事者からの手紙も渡した。
中川市長は「他市の事例も参考にしながら、前向きに進めていきたい。制度を作って広報し、皆さんに理解していただくことが壁を取り払うことになる」と述べた。
阿部代表は「市民の声を反映し、市民が利用できるような制度にしてほしい。お互いを認めて、対等に自分らしく生きられる社会にしたいと思うので、(市民には)ぜひご理解いただきたい」と話した。
同制度は、戸籍上は同性のカップルを公的に認めることで、公営住宅に家族として入居できたり、入院時に家族として説明を受けたりできるようになる。県内では新潟、三条、長岡の3市が導入しているほか、県は制度導入や性の多様性に関する県民の意識調査を6月26日から7月14日まで実施している。
署名活動のちらしは上越市市民プラザ(同市土橋)にあるほか、オンライン署名も実施している。
記事参照元:上越タウンジャーナル