多世代交流生まれる拠点に 移住者が上越市清里区に子ども食堂や民宿などの多機能施設
田園風景広がる新潟県上越市清里区武士に2024年3月2日、子ども食堂と農家民宿、コワーキングスペースを兼ねた「清里いばしょベース Cha-ya(チャヤ)」がオープンする。同区に移住して3年になる高木桂さん(41)が空き家を活用して「誰でも気軽に集まり、多世代交流が生まれる拠点」を目指している。
オーナーの高木さんは、同区櫛池を中心に農業・農村振興に取り組む地域おこし協力隊員。北海道出身で大学進学に伴い上京し、卒業後は福祉関係の仕事に就いて20年ほどを東京で過ごした。結婚、出産を機に自然豊かな環境で子育てしたいと考え、協力隊の任期に合わせて2021年4月、夫(34)と息子(4)の3人で同区に移住した。
都会の団地のように建物が密集しておらず、開放的な暮らしを気に入っている一方、学校以外で子供たちが集まる場所がないと気付いた。前職の経験などから、長年子ども食堂を開きたいという構想もあり、同所での開設を決心した。
自宅に隣接する空き家を買い取って改装し、運営のための収益事業となる農業や自然散策などができる体験型民宿とコワーキングスペースも備えた。地域の関係人口を増やし「移住のきっかけ作りにもなれば」と、首都圏や海外からの利用を視野に入れている。「チャヤ」は元住宅だった空き家の屋号から名付けた。
子ども食堂は和洋室計32畳ほどの1階スペースで、当面は第1土曜のみの開催予定だが、将来的には週1回まで増やす計画。近隣のボランティアが育てた野菜を持ち寄り、地場産食材を使ったメニューを提供する。今後の参加費や開催時間などは3月2日の初回以降、参加者からの意見も踏まえて決めていくという。
3月の協力隊任期終了後から運営を本格化させる計画で、25日からは放課後に子どもたちが自由に集まって宿題などができる民間学童も始める。高木さんは「任期は終わっても地域おこしの活動はここを拠点に続けていく。使い方は皆さんと関わる中で可能性が膨らむと思うので、一緒に考えてもらえれば」と話している。
子ども食堂初回はおにぎりと豚汁が高校生以下無料
子ども食堂初開催となる3月2日は午前9時から午後2時まで施設を開放し、正午からおにぎりと豚汁のセットを高校生以下は無料、大人は300円で提供する。50食限定でなくなり次第終了する。絵本やおもちゃなどもそろい、自由に過ごせる。
今後の開催などはインスタグラムで発信していく。問い合わせは高木さん090-7512-9078。
記事参照元:上越タウンジャーナル