謙信の愛刀「山鳥毛」借り受け交渉 中川幹太上越市長 所有の瀬戸内市訪問 第100回謙信公祭に合わせ

国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」(昨年9月、岡山県瀬戸内市の備前長船刀剣博物館)

上越市の中川幹太市長は21日、岡山県瀬戸内市を訪れ、同市が所有する上杉謙信ゆかりの愛刀で国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」の借り受け交渉を行う予定だ。上越市は山鳥毛を8月の第100回謙信公祭に合わせて展示したい考えで、瀬戸内市の武久顕也市長に貸し出しを要請する。

交渉については昨年9月、小田基史副市長と謙信公祭実行委員会の青柳伸一委員長らが瀬戸内市を訪れ武久市長に面会。武久市長は前向きな姿勢を示していた。上越市によると同市での展示などについて文化庁への手続きが整ったことから、武久市長に承諾を得たいとしている。

山鳥毛は鎌倉時代中期(13世紀)の作。作風から、現在の瀬戸内市長船町に拠点を置いた刀工一派「福岡一文字」により作られたとされている。美しい姿や山が燃えているような刃紋は「備前刀の最高峰」ともいわれる。上越市で山鳥毛が展示されれば、上杉家の会津移封(1598年)以来、約430年ぶりの〝帰還〟となる。

上越市は2017年、当時の所有者から山鳥毛を購入する計画を立てたが、金額を巡って折り合いが付かず断念。瀬戸内市は上越市の取り組みを参考にクラウドファンディングで資金を調達、山鳥毛を取得した。

記事参照元:上越タイムス電子版