〈2021スポーツ名場面回顧・上〉晴れ舞台で実力発揮 北信越IH弓道  強豪校と堂々渡り合う 上越総合技術

東京オリンピック・パラリンピックが開催された2021年。コロナ禍でも数々の大会が行われ、選手たちの懸命なプレーが見る者や応援する者の心を熱く感動させた。中高生を中心に、上越の今年のスポーツの名場面を振り返る回顧を3回にわたって紹介する。

 高校生のスポーツの祭典、インターハイは今年、北信越5県を中心にした開催。弓道競技が7月29日~8月1日、上越市戸野目古新田の謙信公武道館で行われた。出場した上越総合技術(男子)の3年生にとっては入学してきた時から、2年後の地元インターハイを意識付けられてきた。重圧が掛かる県大会で2位に入り、団体戦では旧高田工時代以来23年ぶりの出場権を獲得。高まる期待と応援を受けての晴れ舞台だった。

 団体メンバーは西條陸翔、北川晃暉、髙澤迫斗、小林晃太、土田莉玖の5人に、控えの川上尚悟、いずれも3年生。迎えた団体予選は5人合計20射で行われ、上越総合技術は緊張からか思うように伸びず10中。7校が並び、決勝トーナメント(32校)進出の残り5枠を懸け、1人1射、計5射の競射で争った。

男子団体決勝トーナメント1回戦、三田学園に競り勝った上越総合技術(7月31日、謙信公武道館)

 顧問の齊藤良江教諭は「1人1射で集中する競射はよく練習していたので、いける思いはあった」という。その通り、見事に4人が当て予選通過を決め、地元代表の意地を見せた。予選後、小林晃太主将(3年)は「チームとして改善点はいっぱいある。学校に戻って練習し、少しでも直したい。目標にしていた舞台に立て、地元で特別な思いがある」と話していた。

 翌日の決勝トーナメント1回戦の相手は、予選1位の三田学園(兵庫)となった。5人合計20射で争われ、上越総合技術は個人戦にも出場した土田莉玖選手(3年)が4射全て当てたのをはじめ11中。相手は10中にとどまり、1本差で競り勝った。

 齊藤顧問は「予選1位のチームとやることで逆に気楽にいけた。本番前の練習ではリラックスした雰囲気。相手からはピリピリした様子が伝わってきた」と振り返る。伸び伸びと弓を引き、結果を残した。予選1位のチームを破り、メンバーには喜びと驚きが交錯していた。

 2回戦は全国的な強豪校・秀岳館(熊本)が相手。これまた強敵との顔合わせとなった。大前(1番手)の西條陸翔選手(3年)と土田選手が4射皆中するなど15中のハイスコアをマーク。相手も15中し、並んだ。

 得意の競射にもつれ込んだが、3―4で惜敗。8強入りはならず、入賞にあと一歩届かなかった。強豪と高いレベルの争いを展開し、メンバーの表情には満足感と悔しさが相半ばした。高校入学後に競技を始め2年4カ月で全国16強に上り詰めた。地元勢では今インターハイ最上位の戦績を残し、関係者から大きな拍手が送られた。

 齊藤顧問は「コロナ禍で限られた中でも自分たちで計画し、練習を集中してやってきた成果。一生懸命に戦い、よく頑張った」とメンバーの頑張りをたたえた。

インターハイ弓道男子団体戦に23年ぶりに出場した上越総合技術メンバー

 ◇全国高校総体インターハイ弓道競技(7月29日~8月1日、謙信公武道館)

 ▽男子団体予選 上越総合技術10中、競射4中=通過

 ▽同決勝トーナメント1回戦 上越総合技術11―10三田学園(兵庫)

 ▽同2回戦 秀岳館(熊本)15―15、競射4―3上越総合技術

記事参照元:タイムスLite

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