高田の町家に高級陶磁器「オールドノリタケ」展示 本町7「きものの小川」で10日まで

明治中期から第2次世界大戦期にかけて欧米に輸出された西洋風デザインの高級陶磁器「オールドノリタケ」を展示した「オールドノリタケ上越展2022」が2022年10月7日、新潟県上越市本町7の呉服店「きものの小川」で始まった。雁木通りにある高田の町家の床の間や座敷に、華麗な装飾や多彩な技法で作られた西洋風の花瓶やカップなどが並び、美術館とは違った雰囲気で日本が世界に誇るオールドノリタケを間近に見ることができる。10日まで。

町家の和の空間に飾られた「オールドノリタケ」の花瓶

きものの小川では、コロナ禍で長らく着物の展示会が開催できていないことから、「着物と同じ美の一つでもある芸術品を目にすることで元気を出してもらいたい」(小川善司店主)と初めて企画した。オールドノリタケの有名コレクターでもある竹内友章さんのコレクションの中から60点を展示した。

絵柄に小さなガラスビーズが埋め込まれた希少な作品(1909年)

オールドノリタケは、外貨獲得のため森村組と日本磁器(現ノリタケカンパニーリミテド)が製造し主にアメリカに輸出された、日本で初めての西洋デザインの陶磁器。日本人の職人による芸術的な絵付けや、「盛上げ」「金盛り」「エッチング」などの多彩な技法を駆使した手の込んだ装飾が施され、好評を博した。

100年前の職人の華麗な技が光る

会場のきものの小川2階には、小さなガラスビーズを埋め込み、光の当たり方で輝きが変化するという希少な「コラリーン」や、無数の小さな突起を付けた「ビーディング」などの技法で作られた花瓶のほか、きらびやかな金盛りで装飾したポートレイト柄や花や樹木などの自然をモチーフにしたアール・ヌーボーの花器や絵皿、さまざまなデザインのカップ類が並ぶ。訪れた人は「目の保養になる」と感心し、じっくりと見入っていた。

金彩ポートレイト柄花瓶(1911年)

小川さんは「オールドノリタケは金を施した豪華な西洋デザインだが、不思議に町家の和の空間にしっくりと馴染むのは日本人が作ったものだからもしれない」と話していた。

時間は午前10時から午後6時までで、最終日の10日は午後4時まで。観覧無料。問い合わせは、きものの小川025-522-3400

▽きものの小川 http://kimononoogawa.com/

記事参照元:上越タウンジャーナル

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

10 − eight =