ヘアクリエイター上野さん(上越市三和区出身)の半生をYouTubeで紹介 語りは女流講談師の神田蘭さん

新潟県上越市三和区出身で、やけどや事故などで頭髪を失った人へ医療用かつらの製作、普及に尽力し、かつらコーディネーター、ヘアクリエイターとして国内外で活躍する上野和彦さん(70、愛知県)の半生を、人気女流講談師の神田蘭さんが語った動画「髪で心に太陽を! カツラ界の野口英世・上野和彦物語」が動画投稿サイト「YouTube」で配信されている。

これまでに7万人以上の相談に乗り、7000個以上のかつらを作った上野さん。今回配信された動画制作について、自身の著書「カツラ博士・上野和彦の髪で心に太陽を!」を過去に出版した際、編集で世話になった人から「今の時代は動画で発信しては」との提案があり、自身の黄綬褒章受章記念として制作した。

動画は約20分間の内容。子どもの頃に頭部に大やけどを負った若い女性が上野さんのクリニックを訪れるところからはじまる。上野さん自身の半生や女性の辛さや悲しみのエピソード、思い悩む女性に対して語りかける上野さんの心温まる言葉など、実話をストーリー化。イラストや写真を織り交ぜたほか、神田さんが張り扇で釈台を叩き、場面に合わせて名調子で語っている。

神田さんによる講談で上野さんの半生が語られた(YouTubeより)

上野さんも自身が2歳の時、囲炉裏に落ちて頭部に大やけどを負った。左半分の頭髪を失い、ケロイド状の傷跡が後遺症としてり、傷跡や髪が生えてこないことから、ひどいいじめに遭ったという。当時の担任の勧め、両親の理解もあり、中学卒業後は理容専門学校に進学。理容師資格を取得した。初めてかつらを手に入れた20歳の時、見た目に問題があるかつらに、「自分がかつらに見えない医療用かつらを作ろう。やけどや事故などで頭髪を失った人のために役立つ技術を学び、役立ちたい」と上野さん。1975年、23歳で愛知県名古屋市内でクリニックヘアサロン「サン・ヘアー中部」を開設した。

動画には上野さんの写真なども織り混ぜられた(YouTubeより)

開設から47年。上野さんはこれまでの活動が高く評価され、「現代の名工」にも選ばれているほか、自身が設立した「日本熱傷ボランティア協会」では長年にわたって事故などで髪に障害を負った人々の悩みを聞き続け、社会復帰のために尽力するなど、現在も第一線で活躍している。「動画を見ることによって悩みが解消し、前向きに生きられるようになってくれば」と話しているほか、今後は医療用かつらを作る後継者育成にも力を入れていきたいという。

◇「カツラ博士・上野和彦チャンネル」https://www.youtube.com/watch?v=351xQtQqb74

記事参照元:上越タウンジャーナル

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

three × four =