上越署管内の特殊詐欺被害、新潟県内最多の22件1億1000万円 2022年・未然防止「お手柄」も25件でトップ

新潟県警上越署管内(中郷区を除く上越市)で発生した2022年の特殊詐欺被害は22件、総額約1億1千万円に上り、件数、被害額ともに県内29署中最多だったことが同署のまとめで分かった。コンビニでの電子マネー購入や現金自動預払機(ATM)での手続きを指示されたケースが大半を占めた。一方、金融機関やコンビニ店員による未然防止も25件と最多だった。上越署はあらためて注意を呼びかけている。

上越署によると、県内全体の被害総額約5億2459万円のうち、上越署管内では2割に相当する1億1349万円がだまし取られた。

22件のうち、犯人の指示に従ってATMを操作し、現金を振り込んだケースが最も多く11件あった。介護保険料の過払い金を返還するなどとうそを言って被害者をATMまで誘い出し、手続きと思わせて現金を振り込ませる還付金詐欺の手口が目立った。

次いで多かったのが、電子マネーを買わされ、だまし取られるケースで8件あった。携帯電話やパソコンに「コンピューターウイルスに感染した」「サイト利用料が未払い」など偽のメッセージが届く架空請求詐欺がほとんど。ウイルス除去代やサイト利用料を要求された人が指示通りにコンビニで電子マネーカードを買い、カード番号を教えて被害に遭った。

上越署管内での特殊詐欺の被害発生件数は、新型コロナウイルスの感染急拡大で外出が制限された20年(3件)を除き、近年は10件前後で推移していた。

被害の急増を受け、同署の山本克志生活安全課長は「手口は巧妙化、多様化しており、誰もがだまされる恐れがある」と、いっそうの警戒を呼びかける。

一方、金融機関の職員やコンビニの店員らが機転を利かせて声をかけ、被害を未然に防いだケースも目立つ。被害防止件数25件は県内最多だが、こうした「お手柄」がなければ、さらに被害額や件数が増えた恐れがある。23年に入ってからも16日時点で、特殊詐欺6件が未然に阻止された。

1月20日には、吉川郵便局(吉川区)の松﨑毅浩局長(56)が、来局した60代女性が携帯電話で誰かと話をしながらATMを操作する様子を不審に思い、女性に声がけし、電話を代わって被害を防いだ。

今月7日、同署で感謝状贈呈式があり、松﨑局長は「お客さまの財産を守ることができ、本当に良かった」と安堵(あんど)した。同署の山本課長は「被害を未然に防げたのは各店舗、金融機関の取り組みのおかげ」と感謝した。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス

 

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