中1男子が2度目のヘアドネーション 父の闘病姿に決意新た
小児がんなどで苦しむ子どもたちのために自分の髪の毛を役立ててほしいと、上越教育大学附属中学校1年の羽尾光博(みつひろ)さんが27日(月)、3年間伸ばした髪を切り関係団体に寄付しました。
背中まで伸びた、およそ60センチの長い髪。上越教育大学附属中学校1年の羽尾光博さんです。光博さんは、小児がんなどの抗がん剤治療で髪が抜けた子どもたちが使う「医療用ウィッグ」に活用してもらおうと、3年間髪を伸ばし続けてきました。小学4年生のときにも寄付していて、今回が2回目になります。
羽尾光博さん
「ウィッグは何人もの髪がないとできないことを知り、一回では足りないと思った。待っている子に少しでも早く届くよう、もう一度挑戦しようと決意した。だんだんと周りの理解が得られ、自分を見て挑戦する友だちも出てきてうれしかった」
光博さんが髪を寄付しようと思ったきっかけは、歯科医で父親の博嗣(ひろつぐ)さんの影響でした。博嗣さんはフィリピンの貧困地区で子どもたちの歯の治療にあたるなど、国際的なボランティア活動に取り組んでいます。
父 博嗣さん
「2回目は思春期が重なり、温泉に入るときなどに奇異の目で見られたり、友だちからからかわれたりなど、辛く恥ずかしい思いもしていた。苦労を乗り越えて続けてきた息子を誇りに思う」
実は博嗣さん自身、2021年夏にがんが見つかりました。治療によって髪が抜けることもあった父の姿は、光博さんにあらたな決意を生みました。
羽尾光博さん
「父は闘病中とても辛そうだった。それを見て、小児がんの子どもたちはもっと辛いと思い、早く提供して少しでも気持ちの助けになりたいと気が引き締まった」
父 博嗣さん
「コロナ禍で家族に会えず入院中は辛かったが、息子が頑張っている姿に生きる勇気と元気をもらった。息子の頑張りに感謝でいっぱい」
この日の断髪式では、博嗣さんがハサミを入れました。切った髪は、およそ35センチです。
髪を切った美容室によりますと、ヘアドネーションのカットは毎月2~3人ほどあるものの、これまで男の子は光博さんだけだということです。
羽尾光博さん
「3年間苦労して伸ばしてきて、想像以上に量が多い。切った髪を見て報われた。ボランティアは『できる人ができない人のために』しないと、困っている人を助けられない。髪の寄付だけでなく、父と一緒に海外に行くなど、これからもほかのボランティアをして生きていきたい」
※ご覧の記事は、2023年03月28日 JCVニュースLiNKで放送予定(TV111ch)初回18:30
記事参照元:上越妙高タウン情報