「直江津に総合病院必要」市民らが病院機能の存続運動 新潟労災病院2025年度閉院予定で
医師不足を背景にした新潟県上越市の新潟労災病院(東雲町1)の2025年度中の閉院予定を受けて、2024年1月19日、地元直江津地区内の総合病院存続などを求める市民団体が結成された。署名活動やビラ配布などで賛同を集め、上越地域の医療再編を主導する県に要望する予定。
稼働病床数が4年で半減するなど機能低下が著しい新潟労災病院は、昨年6月の上越地域医療構想調整会議で閉院方針が明らかになり、12月には2025年度中をめどに閉院し、同病院の医療機能を上越市内6病院に移行する再編計画が県から示された。
結成された市民団体「上越地域の医療を守る会」は、上越市を中心に妙高市、糸魚川市の上越地域3市の市民32人で発足した。県が進める、医師不足を前提に新潟労災を閉院し中核病院に医療資源を集約するのではなく、国や県が責任を持って医師、看護師の増加や県内での偏在に対応し、地域の医療提供体制を確保すべきと訴える。
直江津地区は2006年に厚生連上越総合病院が移転し総合病院は新潟労災のみとなっている。守る会は、新潟労災を運営する独立行政法人労働者健康安全機構(神奈川県川崎市)が撤退したとしても、直江津地区唯一の総合病院としての存続を求めている。
この日、同市中央1のレインボーセンターに集まった参加者からは、「市民の要望なのだから、中川市長にも『何とかしてほしい』と言うべき」「県の言いなりになることはない。命がかかっている」などの声も上がった。
守る会代表の石田秀男さん(81)は「黙っていたらだめ。上越地域の医療を守るという視点で市民にも訴え、行政に働きかけていく」と述べた。
今後は医師や看護師の不足や偏在といった新潟労災の閉院問題を解説するビラを作成し、署名活動を展開していくという。問い合わせは石田さん025-543-7224。
記事参照元:上越タウンジャーナル