上越と妙高の3蔵元の共同醸造酒「バトン」新発売 通常版とプレミアム版の2種類
新潟県上越市と妙高市の3蔵元が全国的にも珍しい共同醸造した日本酒「Button(バトン)」が2024年7月25日、新発売された。竹田酒造店(上越市大潟区)の蔵付き酵母と頚城酒造(同柿崎区)の仕込み水を千代の光酒造(妙高市)の蔵に持ち込んで醸した酒で、通常版のほかに搾りの過程で最も品質の高い部分だけを詰めたプレミアム版の2種類がある。
3蔵元は2023年に蔵元の垣根を越えたユニット「kurap3(クラップスリー)」を結成。同年にそれぞれの蔵で実施した、古い伝統的な酒造りの手法である“生もと造り”に続くユニットブランド第2弾として、今年共同醸造に取り組んだ。酒米は上越産の「山田錦」、仕込み水は頚城酒造が使用している湧き水で平成の名水百選にも選ばれた「大出口泉水」を使い、3月中旬に3蔵元が千代の光酒造に集まり仕込んだ。
発売にあたっては、同じもろみでも搾ったタイミングで香りや味わいが異なることから、最も品質が安定している中間層のみを瓶詰めしたプレミアム版の「Button Gold(バトン・ゴールド)」もラインナップに加えた。
「軟水を使ったため穏やかに発酵し、すごくクリアな味わいに仕上がった。白桃や若いメロンといったフルーツのような香りが特徴で、特にプレミアム版はより香りが高い。ぜひ飲み比べてほしい」と話すのは、共同醸造を提案した千代の光酒造の池田剣一郎社長(41)。
竹田酒造店の竹田春毅専務(39)は「どんな酒になるのかとワクワクしていたが、味もしっかりしていてキレが良い。上手くまとまった」、頚城酒造の杜氏(とうじ)の吉崎司さん(46)は「プレミアム版は最初の立ち香が高く、飲まなくても通常との違いが分かるほど。作り手としては不安の方が強かったが、出来上がってみたらすごかった」と、それぞれ話した。
ラベルデザインは妙高市出身の画家、青木隆太さんが担当した。ラベルに銘柄名はなく、主に青や黄色、土色の3色による抽象画で、3蔵元が持つ素材と融合を表現している。バトンゴールドは金色の絵の具と米ぬかをあわせた塗料で、一本一本“バトン”を手描きしている。
いずれも720ml入りで、バトンは2500円(数量1200本)、バトンゴールドは4000円(数量300本)。上越市と妙高市の酒販店で取り扱っている。問い合わせは、製造者の千代の光酒造0255-72-2814まで。
記事参照元:上越タウンジャーナル