県立高田農高校長が上越市長に異例の直接抗議 高卒者差別発言で

新潟県立高田農業高校(上越市)の木村和史校長が2024年7月30日、高卒者に対する差別的な発言が問題となっている中川幹太市長と市役所で面会し、発言について抗議した。現職の公立高校校長による首長への直接の抗議は異例。

中川市長は6月の市議会で、大手化学メーカーの市内工場について「基本的には高校を卒業したレベルの皆さん。頭のいい方だけが来るわけではない」などと発言。同校からは毎年、複数の生徒がこの大手化学メーカーに就職しており、生徒や保護者から許せないなどといった声が寄せられたことに加え、木村校長自身も「校長として到底許せるものではない」として直接抗議することにした。

校長と市長の面会は非公開で行われた。木村校長によると、校長はまず、市長の発言が人格を傷つける学歴差別であり人権問題だとした上で、高校での全人教育の取り組みを紹介し、日々努力する高校生が市長の発言によって否定されたと指摘。反省を求めた。さらに、高校生や若者に対するおわびとともに、若者がやる気になるような励ましのメッセージを出すよう求めた。

中川市長は、深く反省しているとした上で、メッセージについては「約束する」と答えたという。

中川市長の発言をめぐっては市議会が今月、辞職勧告決議を可決しており、中川市長は8月のお盆明けの市議会9月定例会前をめどに進退を明らかにするとしている。

記事参照元:上越タウンジャーナル