低所得世帯の子どもが夢や目標育む場に!新潟県上越市が学習支援事業「のびるば」 上越教育大生らが指導、イベント体験も

新潟県上越市は2024年度、低所得世帯の子どもの学習支援を始めた。子どもたちが毎週土曜、市福祉交流プラザ(同市寺町2)に集まり、上越教育大の学生や大学院生に勉強を教わっている。体験活動を通じて成長を後押しするため、調理実習などのイベントも開催。市は「学びたい子どもの意欲を高め、夢や目標を持つきっかけにしてほしい」としている。

学習支援は新規事業として6月に始まった。「子どもたちが自分の力を伸ばし、のびのび過ごせる場」という思いを込め、「のびるば」という愛称が付けられている。

土曜の午前10時から、子どもたちが市福祉交流プラザに教材を持参し、宿題や予習復習に励んでいる。分からないところは講師を務める上越教育大生に教えてもらう。勉強が終わったら昼に弁当を食べて帰宅する。

月1回程度、調理実習やイベントも企画し、これまでにカレーライスを作ったり、バーベキューや流しそうめんを楽しんだりした。

中学生に数学を教える上越教育大の学生ら=上越市福祉交流プラザ
 

学習支援事業は、児童扶養手当を受け取っているひとり親世帯、就学援助を受けている世帯、生活保護受給世帯を対象とし、参加費は無料。国の補助金を活用し、2024年度は725万円を予算計上した。

7月末現在、33人の子どもが登録。基本的に小学4年〜中学3年を受け入れるが、市生活援護課は「他の年代でも希望があれば検討したい」としている。

子どもたちは徒歩や自転車、保護者の車で通っているほか、直江津や春日山地区の人たちは市が公用車で送迎。9月からマイクロバスの運行を予定している。

参加している女子中学生は「最初は知らない人ばかりで不安だったが、雰囲気が良く、分かりやすく教えてもらえる。行きたい高校があるので頑張りたい」と明かす。

中学生の娘が通う母親は「苦手な教科を教えてもらい、テストの成績が上がったので喜んでいる。塾はお金がかかるので、ありがたい」と語る。

上越市は、引きこもりの子どもが学習支援を希望する場合は自宅に学生を派遣する方針で「家庭教師のような形で週1回の訪問を検討したい」としている。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス