衆院選公示 新潟5区に梅谷守氏と高鳥修一氏が立候補 与野党前職同士の一騎打ちに

第50回衆議院議員総選挙が2024年10月15日公示され、10月27日の投票日まで12日間の選挙戦に突入した。今回から新区割りとなった新潟5区には午前9時までに、立憲民主党前職の梅谷守氏(50)、自民党前職の高鳥修一氏(64)の2人が届け出た。梅谷氏は比例代表北陸信越ブロックにも重複立候補しているが、高鳥氏は派閥パーティー券還付金の政治資金収支報告書不記載問題で党から処分を受け比例重複立候補が認められなかった。10月14日現在の選挙人名簿登録者数は5区全体で34万1807人。

上越市内で第一声を上げる梅谷氏と高鳥氏(2024年10月15日)

新潟県は選挙区の数が従来の6から5に減った。5区は旧6区の上越市、妙高市、糸魚川市、十日町市、津南町に、南魚沼市、魚沼市、湯沢町が加わり、6市2町が選挙区。有権者数は約8万人増え1.3倍になった。面積は1.6倍となり県土の約4割を占める広大な選挙区となった。

梅谷氏は今年2月、選挙区内で日本酒を配っていた問題を報じられ刑事告発を受けており、捜査が続いている。一方、高鳥氏は派閥から還流された政治資金を収支報告書に記載していなかったとして、処分を受け、比例の重複立候補が認められなかった。与野党一騎打ちの構図となったが、ともに逆風の中の選挙戦となる。

立民前職・梅谷守氏

前回初当選し再選を目指す立民前職の梅谷守氏(50)は、午前8時45分から上越市木田1の事務所前で出陣式を行った。社民党と新社会党の県連代表ら、連合新潟上越地域協議会、市民連合・上越、共産党を除く野党系の県議や市議、支持者ら約200人(主催者発表)が集まった。

打越さくら参議院議員は「裏金問題は、看板は変わっても石破新総理も小手先の処分で終わらせようとする。梅谷守はパーティー券を買ったり、企業団体献金をたくさん払ったりする大きな声におもねる政治ではなく、コツコツと地元を回って小さな声を届けてきた」とアピール。社民党県連の小山芳元代表は「85人の裏金議員のほとんどが立候補していて、その中の一人が相手候補だ。物価高で市民は苦しんでいる中、闇の中に使い道に蓋をして許されるのか。何としても鉄槌を下さなければならない。市民と野党の結集で梅谷候補の再選を勝ち取らなければならない」と激を飛ばした。このほか新社会党県本部副執行委員長の牧田正樹県議、連合新潟上越地域協の飯田尚人議長もあいさつし、支持を訴えた。

マイクを握った梅谷氏は「苦節7年を経て3年前、皆さんのおかげでバッジを付けさせていただき、地元の声を政策の種として国政にとことんぶつけ、国会議員としての力が付きつつあった」と前置きした上で、日本酒問題に触れ、「私の軽率な行動で皆さんにとんでもない迷惑をかけて不安にさせ、心からおわびいたします。本当に申し訳ありません」と頭を下げた。そして「いたらぬ私でも『梅ちゃん負けるな』『頑張れ』の声に救われた。皆さんと一緒に戦いたい」と述べ、「今回の政権選択選挙の“せんたく”は、選ぶチョイスと政治を刷新するウォッシュの2種類がある。自民党では変えられない。とことん戦い抜きましょう」と呼び掛けた。

梅谷氏の出陣式

自民前職・高鳥修一氏

前回は梅谷氏に130票差で敗れ、比例復活。今回6選を目指す自民前職の高鳥修一氏(64)は、午前8時30分から上越市新光町1の上越文化会館南側広場で出陣式を実施。推薦している公明党の市議や上越市、妙高市、糸魚川市、自民党県議、支持者ら約500人(主催者発表)が集まった。

選対本部長の小林一大参議院議員が「特にこの上越市で勝たなければ勝利は見えてこない」と大票田の重要さなど訴えた。高鳥氏とともに自民党の有志グループ「保守団結の会」の共同代表を務める赤池誠章参議院議員が「高鳥氏は20年の実績がある。対抗馬は半年間何をやっていたのか。逃げ回っていたのか。実績は何ですか」と訴えた。魚沼市区選出の皆川雄二県議会議長が「めでたい出陣式なので、酒を持ってこようと思ったが配ると捕まりますから…」とチクリ。楡井辰雄県議も「人口減少の中、何をするか問われる選挙で、絵空事を言う候補がいいのか、地に足のついた候補がいいのか。自腹で美酒を飲めるよう頑張ろう」と呼び掛けた。

高鳥氏は安倍晋三元首相からもらい受けたという“勝負ネクタイ”を締め、「今回は小選挙区一本勝負。人生の全てをかけてこの一戦を戦い抜く」と決意表明。不記載問題について「領収書は全てそろっていて、いわゆる使途不明金、裏金ではない。逃げずに説明してきた」と理解を求めた上で「派閥の習慣とはいえ、私にも止められなかった責任があり反省している」と頭を下げた。政治資金の透明化に努め「政治の信頼を回復していく」と誓い、「政治というのは国の将来を語り、子どもたちの未来のために、地域の希望や夢を語ることが本来メインになるべき。どちらがこの地域に本当に役に立てるのかということをご判断をいただきたい。精一杯皆さんのために、地域のために働かせてください」と訴えた。

高鳥氏の出陣式

記事参照元:上越タウンジャーナル