えちご・くびき野100キロマラソン実行委 大会の在り方検討へ 評価の一方、地域に負担感

1996(平成8)年から隔年で行われてきた「えちご・くびき野100キロマラソン」について今後、開催の可否を含めて大会の在り方を検討する運びとなった。19日に開かれた実行委員会議で明らかになった。9月をめどに方向性を決める。
理由として参加者の減少、ボランティア不足、開催意義の希薄化、事業費増加の実態を挙げ、回を追うごとにその傾向が増しているとする。「全国的に高い評価を得る大会へと成長してきた一方、運営する上での課題が顕著になっている」とし、「ここで一度立ち止まって協議する」ことを決定した。
昨年10月の第15回大会では大会申込者数が定員2600人に対し1982人。全国的にウルトラマラソンは減少傾向にあるという。「日本一のおもてなし」を支えるボランティアも人口減や少子高齢化、生活の多様化などにより減少傾向にあり、第15回大会は2766人と前々回から約千人減り、次回以降運営水準を維持できなくなる恐れがあるという。
市町村合併を見据えた市域の一体感の醸成という当初目的の達成による意義の希薄化も指摘。近年の物価高騰の影響を受け大会経費は増加しており、値上げした参加費は全国最高水準に達し、市交付金の増額で賄っているとしている。
ランナーから高い評価を受ける一方で、13区を中心に地域の負担感は高まっているとし、大会後のヒアリングでもその厳しい声が顕著となった。「上越市にとって全国に誇れる一大イベントとして続けていきたいが、広い市域を巡るウルトラマラソンは地域の理解、協力がなければ実現できない。地域の実情を見聞きする中で大会の思いだけでは次回の準備を進めていくのは難しい」(事務局)とし、木浦正幸実行委員長は「皆さんの意見をきちっとお聞きし、それを見詰めて次回のことを考えていく」と話した。役員の任期を9月末までに延長し、地域の意見を踏まえ、方向性を検討することで一致した。
記事参照元:上越タイムス電子版