中山間地で水稲育苗開始 牧区棚広「棚田みらい応援団」協力

上越市内の中山間地で今年の水稲栽培がスタートした。牧区棚広を中心に活動する農業法人、棚広生産組合は13日、約9ヘクタールの水稲栽培に使用する約2500箱分の苗を集落内の育苗スペースに運び込んだ。
棚広町内会の羽深伸一郎会長によると、例年田植えや稲刈りに県が募った企業の社員や学生が棚田保全活動に取り組むボランティア「棚田みらい応援団」の応援を得て作業を行ってきたが、今年は育苗に向けた作業の需要があり、手伝ってもらうことにしたという。

作業にはボランティアと生産組合のメンバーら約30人が参加した。生産組合の羽深一俊組合長は「苗の良しあしは収穫量に直結する。大変な作業だが、よろしくお願いします」とあいさつした。
発芽したばかりの苗が入った苗箱が軽トラックで続々と運び込まれると、参加者は列になって苗箱を受け渡し、地面に並べた。苗箱は保温シートで覆うため整列させて並べる必要がある。組合のメンバーがひもを張って、端の位置をそろえるよう指示を出していた。
苗箱を並べる作業は準備、運搬、車の運転と多くの人手が必要な上、体を常に動かし続けることから、体への負担も大きい。日本航空新潟支店(新潟市中央区)の筒井玲子支店長は「想像していたより大変な作業だった。棚田での農業について多くの人に知ってもらいたいと感じた」と話していた。
記事参照元:上越タイムス電子版