<動画あり>大里峠大蛇伝説 関川村の民話アニメに 大島祐輝さん(建築工房CRAFTアートディレクター)動画配信、上映会も

建築工房CRAFT(大島謙侑社長、上越市岩木)のアートディレクターで、イラストレーター、アニメーターの大島祐輝さん(34、新潟市)がこのほど、岩船郡関川村に伝わる民話「大里峠大蛇伝説」をアニメーション化。動画配信サイトで公開している他、4月に関係者を招いて上映会が開かれる。

 祐輝さんは謙侑社長の弟で、新聞のイラストやCMのアニメーションも手掛けている。民話原作のアニメを構想していた昨年、似顔絵のイベントを通じて知り合った関川村の人から、50年近く前に村の若者でつくる劇団「世稀(せき)」が演じた大蛇伝説を、当時の関係者が再上演を目指していると聞き、現地で関係者を取材。声優として参加してもらうなど、協力を得て約1年かけて完成させた。

アニメを制作した大島祐輝さん。今後は、上越市に伝わる民話、童話作品のアニメ化も構想中だという(本人提供)

 物語は、忠蔵と「おりの」夫婦と娘、座頭(盲目の琵琶法師)と村の庄屋を中心に展開する。忠蔵が山で仕留めた大蛇の肉を食べた呪いで大蛇となってしまったおりのは姿を消す。しばらくたったある晩、大里峠で休んでいた座頭が、大蛇となったおりのから、間もなく身も心も大蛇となり、洪水に見舞われるから早く逃げるように告げられる。座頭はそのことを村の庄屋に伝えるが、呪いで死ぬ。庄屋は村人に大蛇を大くぎで倒すことを提案。娘の呼び掛けでおりのの意識が大蛇を止めた隙に、忠蔵がとどめを刺し村は救われる。

◇上越市と意外な縁 原作者・関川村前村長の平田さん

 原作は、1970年代に関川村の前村長・平田大六さん(88)が劇団に請われて書いた脚本。「元の伝説よりおりのの悲しみと優しさ、家族の悲劇を前面に出した」と平田さん。伝説は同村の「大したもん蛇まつり」のモチーフになり地域に浸透している。平田さんは「方言も取り入れ、テンポも早く分かりやすい。親子の対面もあって、これほどの作品になるとは思わなかった」と評価。高校時代は高田高の水泳大会に出場し、元南極地域観測隊長の横山宏太郎さんとの親交など、上越市との縁にも触れ「上越市の人にも見てほしい」。

 祐輝さんは、「関川村の伝説は今回初めて知り、アクションシーンも盛り込むなど、挑戦的な意欲作になった」と話す。完成後、関川村や教育委員会から、施設での上映や学校での地域学習活用に期待する声が上がり、「驚いている。たくさんの方の協力で完成した作品なので、できるだけ多くの人に見てもらえたら」と願った。

昨年12月に行われたアフレコの様子。原作者の平田さんや元劇団メンバーらが、2時間近く演じたという(祐輝さん提供)

 アニメは動画配信サイト・ユーチューブのチャンネル「おやすみアニメ」で視聴できる他、上映会が4月10日午後1時30分、同3時30分の2回、関川村村民会館大ホールで開かれる。初回は関係者によるトークも行われる。入場無料。

今回完成した「大里峠大蛇伝説」。民話を原作に、激しいアクションシーンや家族の絆、悲しみなども描かれている

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ユーチューブで公開しているアニメの視聴はこちらから

記事参照元:タイムスLite

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