〈動画あり〉二所ノ関部屋入り 嘉陽、高橋 母校で決意披露 共に能生中―海洋高―日本体育大出 大相撲

海洋高相撲部OBの二人が角界入りする。共に日本体育大を今春卒業した嘉陽快宗(かよう・やすとき)さん(22、千葉県市川市出身)、高橋優太さん(22、福島県須賀川市出身)で、大相撲の二所ノ関部屋(二所ノ関親方=元横綱・稀勢の里)に入門する。海洋高出身力士はこれまで8人が角界入りしたが、大学を出て入るのは初めて。9日、母校海洋高で部屋所属の中村親方(40、元関脇・嘉風)も同席し、抱負を語った。15日に新弟子検査を受ける。

二人と部屋を橋渡しし、憧れる中村親方の激励を受け、角界入りへ決意を語った嘉陽さん(左)と高橋さん(右)。高橋さんは「中高大と一緒にいてライバルであり、兄弟のような存在」と嘉陽さんのことを話す(9日、海洋高で)
◇中高大同じ道第二の故郷で

 二人は能生中―海洋高―日本体育大と10年間、同じ道を歩んできた。海洋高では共に団体戦メンバーで選抜十和田大会、弘前大会の優勝に貢献。大学でも切磋琢磨(せっさたくま)し、4年時に全国学生選手権団体の7年ぶり優勝に貢献した。高橋さんは1年時から団体レギュラーとなり、国体団体戦の本県成年チームでも優勝を経験し、4年時には主将を務め、チームをけん引した。嘉陽さんは昨年12月のアマ最高峰の大会・全日本選手権で5位入賞(ベスト8)を果たすなど、地道に成長を遂げた。

 嘉陽さんは「一度しかない人生、挑戦しなければ後悔する」、高橋さんは相撲を始めるきっかけをつくってくれた祖父・祥武さん(75)の思いもあり、「祖父のためにも、自分のためにも」と入門を決意。二人は発表を「第二の故郷」という能生で行った。

嘉陽、三段目 高橋前相撲から

 嘉陽さんは全日本5位により、5月場所(8日初日、東京・両国国技館)は3段目90枚目格付け出しでデビューする。既に5日から部屋に入り生活しており、「毎日、相撲部屋でいろいろなことを経験、吸収し、少しでも早く関取になって、周りの人にいい報告ができるように頑張りたい」。5月場所で前相撲を踏む高橋さんは「新潟には中学から来て、能生、糸魚川の方々から温かい声援を頂き、第二の故郷と感じていた。入ったからには横綱を目指したい。一つ一つ着実に前に進んで、いい報告ができるようにしたい」と決意を述べた。

 嘉陽さんは170センチ、150キロ。突き押し相撲で、目標とする力士は大関・貴景勝(25)、「でかい人に思い切り当たって勝っていく姿がかっこいい」という。高橋さんは184センチ、143キロ。右四つからの寄りを型とし、目標とする力士は元横綱・鶴竜(36)。「力強さに優しさ、横綱の風格がある」と人間性にも憧れている。

人間的に成長し愛される力士に

 入門する二所ノ関部屋には日本体育大の先輩が多く所属し、見学に行った時に稽古や生活面が充実していると感じた。嘉陽さんは「相撲が強くなるだけではなく、人間的にも成長し、応援される力士になりたい」、高橋さんは「強さだけでなく、皆さまから愛される力士を目指す」と理想の力士像を挙げた。

 日本体育大の先輩でもある中村親方は「(海洋高総監督の)田海(哲也)先生をはじめ皆さまが育てたバトンを受け取った。大相撲でひと花、ふた花咲かせるのは私の責任。預かった以上は皆さまに恩返しできるように育てたい。二人には人としての礼儀、気遣いが備わっている。下から目標とされる関取になってほしい」と、期待と激励の言葉を掛けた。

 中学時代から指導した海洋高の村山大洋監督(30)は中高大の後輩を、「相撲の型は身に付いている。厳しい世界でも結果を残していけるように、初心を忘れずに頑張ってほしい」と、温かい思いで見守っている。

旧友駆け付けエールを送る

 ○…中学、高校と6年間一緒に頑張り、明治大相撲部で主将を務めた八幡莉玖さん(23)が二人の門出を祝おうと、外で待ち受けた。八幡さんは郷里の新発田市に戻り、新潟市内の企業に一般就職するという。「3人で協力し合ってやった。言わなくても分かり合えた」と中高時代を振り返り、「最後かもしれないので、頑張れと伝えたかった。あの二人なら頑張れる」とエールを送った。

同窓会「能水会」の伊藤清正副会長(右)、猪又芳夫能生支部長(左)から激励金を受け取る嘉陽さんと高橋さん

▼二人の抱負はこちら▼

記事参照元:タイムスLite

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