上越経済、2023年の見通しは?観光、金融、建設、飲食店…経営者たちに聞く 新潟・感染収束や活性化に期待

 上越地域では4日、行政機関や多くの企業が仕事始めとなり、2023年が本格始動した。卯(う)年の今年は景気がウサギのように跳ねて上向くと言われている。ただ、4日の日経平均株価は大幅反落。新型コロナウイルス禍に昨年からの物価高が追い打ちとなり、景気の先行きは依然として不透明だ。卯のごとく上越経済は躍進なるか-。経営者たちに見通しを聞いた。

上越市の経済界や地域の代表者らが集う新年祝賀会(実行委員会主催)が4日、同市下門前のリージョンプラザ上越で開かれ、約2千人が迎春をことほいだ。

上越商工会議所会頭を務める「高助合名会社」(港町1)の髙橋信雄代表社員は「昨年から人の流れが徐々に戻り始めた。今年こそ感染禍前の姿を取り戻し、活性化の元年としたい」とあいさつした。

今年は1973年に高田、直江津両商工会議所が合併し、上越商工会議所が誕生して50周年の節目の年。取材に「次の50年を見据えながら、経済再生を先導していきたい」と力を込めた。

上越地域では昨年12月、世界最高水準の熱効率を誇る東北電力・上越火力発電所1号機が営業運転を開始。今年3月には、佐渡汽船小木-直江津航路でカーフェリー復活が予定されるなど、地域経済にとって明るい話題が続いている。その一方で、ロシアのウクライナ侵攻や物価高騰が、本格的な景気回復の足かせになるとの見方も目立った。

上越信用金庫(中央1)の大堀芳和理事長は「業種ごとに影響度は違うが、景気にプラスではない。やや悪化の方向」とみる。そうしたマクロな情勢に加え、上越地域も他地域と同様に、経営者の高齢化や後継者不足、感染禍での借り入れ増加といった課題に直面していると指摘。「中小企業は厳しい状況に直面している。脱炭素、デジタル化、生産性向上などをキーワードに地域金融機関として伴走するように支援していきたい」と語った。

長引く感染禍で観光バスの利用減に苦しんできた「頸城自動車」(石橋2)の山田知治社長は「ワクチン接種が進み、安心して旅行できる環境になりつつある。徐々に景気も回復していくのではないか」と、活性化を期待した。

建設・土木業界では近年の公共工事減少に加え、資材価格の高騰が発注控えに拍車をかけている。

上越市建設業協会の会長を務める大栄建設(南本町2)の林健晴会長は、「業界にとって厳しい状況は続くだろう。公共施設の改修や道路の危険箇所対策など必要な公共事業を逆に市側に提案し、工事量を確保していくしかない」と険しい表情だ。

市内のラーメン・中華料理店でつくる「上越愛麺会」の会長、「麺屋あごすけ」(下門前)の月岡二幸(かずゆき)オーナーは「原材料費や光熱費の高騰に終わりが見えない中、今年も値上げを検討しないといけない」と頭を抱える。

「ただ値上げをするだけでは、お客さまも離れていく。値上げに合わせてクオリティーも高める努力をしないといけない」と業界の決意を代弁した。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス

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