佐渡汽船支援で大筋合意 新潟県と2市が双方譲歩

中古カーフェリーを小木港と直江津港を結ぶ航路に就航させる(1月、新潟港)

佐渡汽船(新潟県佐渡市)のカーフェリー導入への行政支援の負担方法と割合を巡り、新潟県と佐渡市、同県上越市が大筋合意したことが20日、わかった。国の特別交付税を活用したうえで、実質的な負担割合は県が5、佐渡市が2、上越市が1とする方向で最終調整に入った。花角英世知事らが25日にも協議し、最終決定する。

佐渡汽船は、宇和島運輸(愛媛県八幡浜市)から取得したカーフェリーを小木港(佐渡市)と直江津港(上越市)を結ぶ航路に2023年春に就航させる。約11億円の減価償却費負担への支援を巡り、県の案と2市の案が対立。2市は2022年11月11日付で県交通政策局に対し質問書を提出する異例の事態に発展していた。

2市は特別交付税の活用で県に譲歩した。一方、県の案では県と2市が1対1だった実質負担割合は、2市の主張通りに変更する。2市が佐渡汽船に全額をいったん支払い、国の特別交付税で8割相当分(8億8000万円)を受け取る。残る2割相当分(2億2000万円)について負担割合が5対2対1となるように、国からの交付金(新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)から県が2市に配分する。

3県市はトップ会談を25日にも開く方向で調整に入った。花角知事、渡辺竜五佐渡市長、中川幹太上越市長がこの問題で協議するのは初めて。首長らは23年度予算編成が大詰めを迎える前に事態の収拾に乗り出す。新潟県庁で対面で実施する予定だったが、寒波を受けオンラインでの協議に切り替える見通しだ。

県は必要経費を2月の補正予算に計上する。2市はいったん佐渡汽船に支払う費用を23年度当初予算に計上する。3首長会談で合意が得られれば、今春以降、カーフェリーが3隻体制となり、旅客と貨物の輸送能力が増すことが確実となる。

記事参照元:日本経済新聞

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