上越市新年度予算発表 一般会計947億9314万円 卯年の年男の中川市長「市民とともに跳躍」

新潟県上越市は2023年2月20日、2023年度当初予算案を発表した。一般会計は947億9314万円で、前年度当初予算より29億8925万円(3.1%)減少した。就任1年目の本年度は「土台作り」としていた中川幹太市長は、新年度について、自身が卯年の年男であることにちなんで「準備してきたことを踏まえ、市民の皆さんとともに跳躍したい」と述べた。

実質予算2.8%増の931億3536万円

一般会計の減少は、第3セクター等改革推進債の借り換えのため本年度当初予算に計上していた市債と公債費が減額したことによる。制度融資預託金などを除いた実質予算額は931億3536万円で、前年度より25億6693万円(2.8%)増加した。市の貯金にあたる財政調整基金の2023年度末残高は、2022年度末より4億245万円減少し71億9614万円となる見込み。市の借金にあたる市債の通常分の残高は667億2713万円で、前年度より30億5665万円減少した。

第7次総合計画の五つの目標達成目指す

本年度に打ち出した八つの政策プロジェクトの取り組みを、新年度からスタートする第7次総合計画の各施策に位置付け、同計画が掲げる「支え合い、生き生きと暮らせるまち」「誰もが活躍できるまち」などの五つの基本目標の達成を目指す。また人口減少や少子高齢化などの重要課題に対応した「活動人口の創出」「地域DXの推進」などの四つの重点テーマについても、分野横断的に取り組む。

IT企業誘致や健康DX事業など

主な事業として、デジタル技術を活用した日々の健康管理を支援する健康DX事業(2892万円)や特別支援学校の児童生徒への通学支援(284万円)、保倉川放水路整備に伴うまちづくり基本構想作成(1397万円)、コロナ禍で夜間運行が困難となっているタクシー事業者への支援(292万円)、新築住宅への太陽光発電の導入支援(300万円)、大学進学と卒業後の市内定住を進めるため2024年度からの奨学金返還支援制度創設に向けた準備(9万円)、地域独自予算の導入(9414万円)、大潟工業団地の整備(6029万円)、上越妙高駅周辺のIT企業進出や受け皿となるオフィスビルの整備支援(7240万円)、学習会や部活支援による高校生などのIT人材育成(449万円)、スクールロイヤーの配置(66万円)、新生児に絵本を贈呈(176万円)、上越斎場の建設(6億8731万円)などを計上した。

小木―直江津航路のカーフェリー「こがね丸」の就航に伴う佐渡汽船への支援(1億2223万円)や住宅リフォーム補助(1億2000万円)も盛り込んだ。

将来に向けた検討課題も

記者会見で中川市長は「市内の全ての企業が人員不足で、高校生や大学生に地元に残ってもらうことや、企業誘致、外国人の受け入れ体制などに力を入れていく。ふるさと納税や地域独自予算などで地元の魅力をお住まいの皆さんに認めていただいた上で、全国や世界に発信できるように準備したい」と述べた。

また「将来に向けて、私が今後検討していきたい課題をお話ししたい」と切り出し、外国人労働者の受け入れによる労働者の確保やIT事業者の育成、貧困やヤングケアラー、虐待などの困難な状況にある子供への直接支援などを挙げた。

リフレ上越の不正受給で陳謝

このほか、同市の第3セクター「リフレ上越山里振興」による雇用調整助成金などの不正受給事件について、中川市長は「市の第3セクターや指定管理施設でこのような事案が起き、市民の皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけしていることに対し、おわび申し上げる」と陳謝した。

新年度予算案は3月1日に開会する市議会3月定例会に提案される。

▽市議会3月定例会に提案される予算案など
https://www.city.joetsu.niigata.jp/site/shicho-room/kaiken-r5-2-20.html

記事参照元:上越タウンジャーナル

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