文化的価値高まる 文化庁の委託事業 外観修繕工事が完了 宇喜世
上越市仲町3の「百年料亭『宇喜世』」は文化庁の事業に採択され、伝統文化や食の継承とともに仲町通りに面した外観の工事を進めてきて、このほど完了した。
国登録有形文化財の歴史ある建物が文化的価値を高めるよう修繕され、仲町の風情に溶け込んでいる。
事業は、「和食文化の次世代への継承機会確保」などをうたった文化庁委託の「令和4年度食でつながる日本の文化認定事業」。宇喜世ではこれまで、地域に伝わる伝統芸能や食文化に関するイベントを実施してきた。
併せて昨年11月から、老朽化していた仲町通りに面した側の外壁や窓格子、象徴の一つだった木製欄干などを修繕。窓に「雪」「月」「花」をイメージした伝統工芸「組子」も設置した。
工事は同館を監修している清水組(同市稲田3)などが行い、組子は猪俣美術建具店(同市高土町3)が手掛けた。建物の歴史や内部を説明した案内看板も新設した。採択された事業額は1040万円。
大島誠社長は「文化庁が建物の価値を評価してくれたのが大きい。事業は新たにつくるのではなく、原状に復すのが狙い。看板も設置し、道行く人に建物の歴史や中の様子を知っていただきたい」と話し、期待感を表した。
記事参照元:タイムスLite