「身寄りなし問題」関心を、NPO代表の須貝秀昭さん、糸魚川と上越通過、北海道目指し日本縦断中

 「困り事を助け合う『互助』の社会を」―。新潟市のNPO法人「身寄りなし問題研究会」の代表を務める須貝秀昭さん(52)は、徒歩で日本を縦断するソーシャルアクションを展開中。5月29日に糸魚川市、30日に上越市に到着した。

身寄りなし問題の周知啓発を目的に、全国縦断中の須貝さん

 福祉関連業務に従事してきた須貝さん。身寄りがない高齢者や障害者が、アパートや施設入所などの各種契約を結べない、その支援をケアマネージャーなど一部の支援者が担っている現状を目の当たりにしたという。

 平成29年、この問題の解決を目的に任意団体として同会を発足。今年1月にNPO法人格を取得した。同会では相談会や情報提供など直接支援の他、関係者や当事者の交流促進を通じた「互助」の関係づくりを推進。須貝さんは「親族がいなくてはいけないという世間の『価値観』や『慣習』を変えなければ。公制度と当事者の隙間を埋めるよう取り組みたい」と話す。

 日本縦断はこの問題の周知・啓発を目的とした初企画。4月3日に沖縄本島の最南端、喜屋武岬をスタート、7月上旬に北海道の最北端、宗谷岬へのゴールを目指している。総距離は約3300キロ、日程は約100日間の予定。1日約30キロのペースで日本海側の海岸線を北上している。

 この間、ホームページやSNSで活動を発信。地域の包括支援センターとの交流、応援の声掛けなど、確かな反響があるという。須貝さんは「道なき道を行くことも多い旅。上越地域は久比岐自転車道が歩きやすくて最高」と笑顔を見せ、「上越の皆さんも身寄りなし問題を自分事として捉え、互助の関係を築いてもらえたら」と期待した。

記事参照元:タイムスLite

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